2025年シーズン開幕を前にして「変化」を目指して進み続ける新井カープ。新たな戦力も加わる投手陣では、“開幕投手争い”にも注目が集まった。今回は、初の大役に指名された森下暢仁がキャンプ直前に語った言葉をお届けする。(全2回/第2回)

今シーズンの春季キャンプで、黒田博樹球団アドバイザーと話し込む森下

目指すは優勝と日本一。個人として貯金をつくること

─オフはどのようなテーマでトレーニングをされましたか?

「一つひとつの精度を上げていくこと、これをどうやればうまくいくのか? を考えていました。今年もマエケンさん(前田健太・タイガース)と自主トレをさせていただきました。『自分がこういう投げ方のときにはダメなんです』というような質問をさせていただいて、マエケンさんなりのご意見をもらったり、僕が感じていることを伝えたりしました。アドバイスというよりも、お互いに良い成績で終わりたいなという話が多かったです。マエケンさんと練習させていただくことは刺激をいただけますし、球界を代表する投手であり、アメリカで10年プレーされている方なので、今回も一緒に練習ができて良かったです」

─間も無くペナントレースが開幕しますが、『開幕投手』と聞いてどのようなイメージがあるか聞かせてください。

「これまで開幕投手の経験がなかったので分からないのですが、チームの顔であると思いますし、そのシーズン、チームを背負っていかなければいけない存在の投手だと思います」

─今シーズン、プロ6年目を迎えます。実績を重ねて、後輩も増えてくるなかで、カープ投手陣においてどのような存在でありたいですか?

「正直、自分のなかではそんなに変わった感じはなくて『もう6年目か』という感じなんですよね(苦笑)。ただ、1年目からずっと先発ローテーションを任せていただいている以上は、これを守り続けないといけないと思っていますし、ずっと頼られる存在でありたいなと思っています。後輩からアドバイスを求められることは、まだまだそんなにあるわけではないですが、大地さん、床さんは投手陣のなかで頼られる存在ですし、僕も頼りにしています。なので、そういう選手を目指していきたいです」

─今シーズンは、どのようなことにこだわるシーズンにしたいですか?

「一番はチームの優勝、日本一です。そこを目指していく中で、投手タイトルを目指したいなと思います。チャンスがあるならば、どの投手タイトルでも獲りたいと思っています。数字的な目標でいうと、とにかく勝ち星にこだわって貯金をつくりたいですし、シーズンの最後まで、いけるところまで投げ続けたいです。昔と違って登板間隔を詰めることも少なくなってきていますからね」

─森下投手は打撃力も注目されますが、床田投手とヒット数で勝負していると聞きました。昨シーズンは、森下投手が11安打、床田投手は9安打でしたが、打撃に関しての目標はいかがですか?

「昨シーズン、床さんがオールスターでヒットを打っているのを見ましたが、ああいう場で投手が打つというのはすごいなと思いました(笑)。打撃はいつDH制になるか分からないので、打席に立てるうちは、良い意味で床さんと争えたらと思っています。床さんもそうですが、どの投手が打っても気になりますし、安打数を競っているので打席に立てば『打ちたい!』といつも思っています。打撃練習はできるときにやっていますし、バットは硬さ、軽さなど、ある程度はこだわっています」

─最後にカープファンのみなさんにメッセージをお願いします。

「昨シーズンはカープファンの方々に期待していただきながら優勝できませんでした。今シーズンは優勝、日本一に向けてもっと良いパフォーマンスを見せられるように頑張りたいと思います」

■森下暢仁
1997年8月25日生、大分県出身。右投右打・180cm・81kg
大分商高-明治大-広島(2019年ドラフト1位)

【2024年一軍成績】23試合 10勝10敗 防御率2.55 投球回151.2 奪三振98