パワフルなスイングが魅力の右の長距離砲・ドラフト4位ルーキーの渡邉悠斗。一軍キャンプに抜擢されると、捕手としてブルペン入りするなど話題となった。一軍昇格を目指す、背番号49のフレッシュな声をお届けする。(全2回/第1回 ※取材は3月)

春季キャンプでは捕手としてブルペン入りした渡邉

予想を超えるプロの世界。成長を続け、プロで生き抜く

ー入団発表会見で初めて広島に来られて、まだ寮生活も短いと思いますが、広島の印象はいかがでしたか?

「栄えている街だなと感じました。あと、人が温かくて、気候が案外寒くてびっくりしました。出身は東京で、大学は岩手なのですが、“西側は暖かい”と思っていたので(苦笑)。岩手と同じくらい寒いと感じるときもありましたね」

ー寮生活には慣れましたか?

「今は大洲寮にいるのですが、最初は大野寮(廿日市市)だったので、宿舎の隣に室内練習場があり、野球をする環境が整っていて、とても素晴らしい環境だと思いました」

ープロの世界に入り、先輩選手と練習したときの印象を教えてください。

「めちゃめちゃ緊張しました。今までテレビで見ていた先輩ばかりだったので、うれしいというか、特別な感じがありました。みなさんスイングスピードも速いし、野球自体のスピードが速くて、段違いでした。自分もバッティングに自信を持って入ってきたつもりだったんですけど、『今のままじゃダメだな』と思う気持ちと、『負けていられないな』という気持ちでした」

ー中でも印象的な選手は?

「みなさんすごかったのですが、年下ですが、同じ右打者の内田湘大選手や、仲田侑仁選手のスイングスピードはすごいと思いました。その後、一軍のキャンプに行ったら、やっぱりみなさんがすごかったです」

ー春季キャンプは一軍スタートとなりました。一軍と知ったときの心境はいかがでしたか?

「うれしい気持ちと、さらにレベルの高いところで練習する緊張や不安がありました。いざ行ってみたら、先輩方がみなさん優しく接してくださり、やりやすい環境でした」

ーキャンプ初日には、いきなり捕手としてブルペンに入られていましたね。

「元々自分は捕手だったので、キャンプ前の合同自主トレの時に、2回くらいブルペンに入っていました。“捕れるかどうか”を見ていただくためにミットを持って行っていたのですが、すぐ受けることになりました。最初に球を受けたのは、塹江(敦哉)さんだったのですが、やっぱりプロの球でした。自分も富士大で、それなりの投手を受けてきていたのですが、“曲がり幅”がすごくて、『やっぱレベルが違う!』と思いました」

ー今年のカープは、練習でのスイング量も話題です。

「入団する前から『振る体力をつけておいた方が良い』という話は聞いていたのでそれなりに練習してきたつもりだったんですけど、思っていた以上に振り込むので、最初は疲れがすごかったです。キャンプでは練習後にロングティーがあり、毎日100球くらい打っていましたが、自分にとっても初めて体験でした。手にマメもできました」

ーキャンプでの練習後は連日ロングティーがありました。

「毎日練習の最後に100球くらい打っていましたが、初めての体験でした。結構手にマメができました」

ー1カ月間キャンプを経験してみて、体力面ではいかがでしたか?

「ここまで練習量の多いキャンプは、人生初めてでした。とても疲れたのですが、なんとか食らいついていくぞと、毎日必死に、なんとか乗り切ることができました」

ーキャンプを終えてみて収穫や課題を教えてください。

「打撃面では、実戦でも長打が出たので、スイング量も増えて、強くなった証なのかなと思えたことが収穫でした。ただ、まだ自分の持ち味であるホームランが出ていないので、早く1本を打ちたいです」

ー紅白戦で実際に打席に立って、プロの球を体感していかがでしたか?

「まっすぐの質だったり、強さというのがまず違ったので最初はいろいろ考えたりもしました。ただ、スイング量もある程度振って、自信がついたというのもありますし、技術面、メンタル面で自分的には成長できたと思いますし自信もつきました。なので、終盤は大学の時と同じぐらい落ち着いた気持ちで打席に入れたと思います」

ーオープン戦は序盤から出場し、3月1日の楽天戦では、同点タイムリーも放ちました。対外試合を観客のいる球場で行う感覚はいかがでしたか?

「トランペット応援や、観客のみなさんがいる中での試合は、今まで体験したことがなかったので、楽しさを感じました。ただ、グラウンドに入れば、試合に集中できるタイプなので、いつもと変わらずプレーすることができたと思います」

(第2回へ続く)