◆「実戦で力を発揮する長身右腕」アドゥワ誠(2016年ドラフト5位)

 ナイジェリア人の父と日本人の母を持つアドゥワ誠は196㎝という恵まれた体格を武器に頭角を現し、松山聖陵高では3年夏に甲子園出場を果たしている。荒削りながら長い腕から繰り出される140キロ超の直球が注目を集め、カープからドラフト5位指名を受けた。素材型でもあり1年目の前半は、プロの体をつくるために三軍で体力強化に特化した。

 地道な基礎練習が身を結び、プロ2年目の2018年には早くも一軍でリリーフとして53試合に登板。球団最年少記録となる19歳6カ月でのホールドをマークするなど一気にブレイクを果たした。3年目の昨季は先発転向し、プロ初完投を記録したが安定感を保てず3勝にとどまった。徹底的に低めに球を集める投球術に加え、クイック、牽制などにおいても高い能力を持ち合わせているだけに、再び一軍での躍動が期待される若鯉の一人だ。

◆「キレの良い直球を武器に先発ローテ定着へ」遠藤淳志(2017年ドラフト5位)

 霞ヶ浦高では2年夏から頭角を現し、3年夏の茨城県予選では決勝で敗れたものの、日米8球団のスカウトが見守るなか土浦日大高を相手に15回を投げ抜いた。中村奨成の1位指名に沸いた2017年ドラフトで5位指名されて入団。プロ1年目は強化指定選手に指名され、主に体幹の強化に時間を費やした。アドゥワと同じくプロ2年目の昨シーズンに一軍初登板を果たすと、中継ぎとして34試合に登板。プロ初勝利、また今村猛が保持していた球団最年少記録を抜く20歳4カ月での初セーブをマークした。なお、プロ初登板からの10試合連続無失点は、2018年のアドゥワと並ぶ球団タイ記録だ。

 プロ3年目の今季は先発に転向。開幕ローテーションに滑り込むと、今季2試合目の7月5日阪神戦では5回8失点の炎上となったが、8月2日の巨人戦では9回2失点でプロ初完投勝利を記録。ここからの巻き返しを予感させる、力強い投球を見せつけた。