◆うまくいかないのも、どこかで自分らしいなって
浮上という意味では、自分で言うのもどうかと思いますけど、今年の内藤哲也もなかなか浮き沈みの激しい闘いが続いていますね。1月の東京ドーム2連戦では、初日にIWGPインターコンチネンタル王座を奪取して、2日目はオカダ・カズチカを下してIWGPヘビー級王座を獲得。
史上初のIWGP二冠という偉業を達成して、かねて目標の一つに掲げていた東京ドームで決めゼリフの大合唱をしようと思ったら、まさかのKENTA選手からの襲撃。気がついたらリング上で大の字で、決めゼリフの大合唱どころか、同じユニットのBUSHIの肩を借りながら薄暗い花道を引き揚げていましたよ。
たまに野球でもあるじゃないですか。勝ったはいいけど、あまり後味のよくない勝利というか。1年で一番のビッグマッチの東京ドーム大会のメインで勝ったのに、最終的には敗者みたいな姿にされて……。そんな選手あんまりいないと思いますよ(笑)。もちろん笑い事ではなかったけど、こうやってうまくいかないのが、どこかで自分らしいなって。
2月にKENTA選手を下して二冠を防衛して、試合後には同じユニットの高橋ヒロムとの一騎打ちが決まりました。ヒロムとは、彼が若手時代のときに「いつかシングルで対戦しよう」っていう約束を交わしていたので、ついにそれが実現するっていうことで、自分の中でもテンションが上がっていましたよ。
でも、新型コロナウイルスの感染が拡大していって、ヒロムとの一騎打ちが予定されていた大会は中止になってしまいました。楽しみにしていたファンの皆さまにも申し訳なかったけど、個人的にもショックは大きかったですね。このときも、なかなかうまくいかないなって、どこか自虐的に思いましたね。