1990年の開校以降、多くの有望選手を輩出しているカープアカデミー。選手の発掘、育成を目的にカープが日本球界で初めて野球学校をドミニカ共和国に設立してから、今年で早くも丸30年を迎える。

7月下旬から本来の安定感を取り戻しているフランスア投手。カープ浮上の鍵を握る左腕もカープアカデミー出身だ。

 投手、野手双方の育成に着手し、これまで30人を超える選手が、カープで選手契約を勝ち取っている。

 2018年3月にカープと育成契約を結んだフランスアは、ウエスタン・リーグで即結果を残し、わずか2カ月あまりで支配下選手契約を締結した。6月の巨人戦でプロ初勝利をマークすると、8月にはプロ野球記録に並ぶ月間18試合登板(防御率0.51)で月間MVPを獲得。今村猛、ジャクソンらセットアッパーの調子が上向かないなか、フランスアは中継ぎの救世主として一気に台頭しリーグ3連覇の大きな原動力となった。

 今季は早くからストッパーの最右翼として名前を挙げられながら、昨季から続く不振を退け出せず新外国人のスコットに最終回のマウンドを譲ることになった。しかしながら7月後半から本来の球威を取り戻しつつあり、適任者不在となっていた守護神の座に再び君臨。7月29日の中日戦では三者連続三振で野村祐輔との完封リレーを実現させるなど、復調ぶりをアピールしている。

 豪腕ドミニカンの完全復活に期待が集まるなか、ここでは過去にカープに在籍した主なドミニカ戦士を通算成績と共に振り返る。