今から50年前、1975年の広島東洋カープはルーツ新監督の下、チームカラーを紺色から赤色に変更。6月にはカープファンに長く愛されることになる球団ペットマーク『カープ坊や』が誕生した。さまざまな変化が起こったこのシーズン、カープは『赤ヘル旋風』を巻き起こし、ついに球団創立26年目にして初優勝を果たした。

 カープにとって節目となった1975年の3月10日には私たちの生活に欠かせない移動手段である山陽新幹線の岡山駅-博多駅間が開業し、山陽新幹線全線(新大阪駅-博多駅間)が開業を果たすとともに、東京駅から博多駅まで新幹線が直通で結ばれた。人々の生活に好影響を与え、沿線地域は大きく経済発展することになる。当時セ・リーグで唯一新幹線沿線ではなかったカープは、これによりビジター遠征の負担が大きく改善されたのだ。

 ここでは、カープ坊やとともに山陽新幹線全線開業50周年を迎えた、西日本旅客鉄道株式会社(通称、JR西日本)マーケティング本部 鉄道マーケティング部 広島営業部の村田竜人(りんど)さんに、その思いを聞いた。

◆山陽新幹線全線開業50周年と赤ヘル50周年

西日本旅客鉄道株式会社 広島営業部の村田竜人(りんど)さん

 1975年3月10日に、山陽新幹線が全線開業しました。そして、広島県民の誇りであるカープも同年に、チームカラーが赤色に変わり、カープ坊やが生まれ、そして初優勝を果たしました。2025年、同じく記念すべき50周年を共に迎えられたことに大変ご縁を感じています。

 50周年となる3月10日に向け、昨年から100日前イベントとして、カープ選手やコーチの方に登場いただくイベントを広島駅で開催したり、記念駅弁や、アンデルセンさんとのコラボクッキー(2025年9月末まで販売予定)などを制作させていただきました。

アンデルセンとのコラボクッキー

 この50周年企画を通じて、さまざまな企業様とコラボをさせていただき、テレビ番組の制作も行いましたが、「広島が1つの都市として大きく成長できたのは、新幹線の存在がとても大きい」と多くの方に言っていただき、感謝の思いを感じております。また、テレビ特集内で、カープのレジェンド・山本浩二さんが、『新幹線の開業が、優勝に大きく貢献してくれた』と言ってくださっている場面を見て、私自身もとても誇らしく感じました。

 ご存知の方も多くいらっしゃると思いますが、1980年のカープV3は、新幹線での移動中に決まりました。50周年の企画の1つで、『私と新幹線』エピソード・絵画コンクールという企画を展開したのですが、『選手が外旋した際、駅がごった返していたこと』を良い思い出としてあげてくださっている方がおり、カープの歴史を振り返る際に、新幹線が話題に上がることをとてもうれしく思います。新幹線を通して人と人との距離がより近くなったことなど、改めて50周年という節目で考える良い機会になったと感じております。

◆レジェンド黒田博樹氏も今年50歳

広島駅新幹線改札内に展示されている黒田博樹さん等身大パネルや新幹線車両の模型

 今年の3月10日に広島駅で行った、50周年記念式典には、カープのレジェンドである黒田博樹さんをお招きしました。広島にとどまらず、メジャーでも活躍された黒田さんは、2月に50歳のお誕生日を迎えられました。黒田さんの誕生と、山陽新幹線全線開業という奇跡的なタイミングを皆様とお祝いをしたく、お招きさせていただきました。

 イベントではカープで活躍されていた頃の思い出を語っていただき、「開幕戦がビジターだったときは気持ちを高めながら新幹線に乗っていた」とお話しいただきました。現在、広島駅新幹線改札内には、黒田さんの等身大パネルや、山陽新幹線の模型などを2025年9月末まで(予定)展示しているので、ぜひご覧ください。

◆カープの選手も『EX予約』を利用

 今年からカープの皆様に、東海道・山陽・九州新幹線ネット予約&チケットレス乗車サービス『EX予約』をご利用いただいております。これまでは、球団のスタッフの方がきっぷを手配されていたかと思いますが、この『EX予約』は窓口や券売機に並ばず、ご自身のスマホで操作、乗車が可能となる便利なサービスとなります。カープ選手の皆さまが改札を通る姿を見ると、お役に立てていると感じるとともに、きっと50年前に山陽新幹線が全線開業した時と同じくらいのインパクトがあるのではないかと信じています。

 『EX予約』のご利用は、ご利用客の皆さまのメリットが多くございます。上記の内容はもちろん、おトクなきっぷのご提案やWESTERポイントを貯めることができます。ポイントが貯まれば広島駅のminamoaやekieなどでショッピングとしても利用ができます。ぜひ『カープ選手も使っている!』と思いながらおトクに使ってもらえたらうれしいです。

 ちなみに、選手の皆さまへの案内資料は私が作成したのですが、それを見て選手が操作をしてくれていると思うと、達成感を感じております(笑)。

【山陽新幹線】\新しい広島駅ビル開業記念/
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| WESTER ポータル

◆カープ坊やと駅長カープ坊や

今年の5月15日にカープスポンサードゲームでクレジットカード『J-WESTカード』にご入会していたいただいた方への特典として、1975年当時のユニホームを着たカープ坊やと、JRの“駅長カープ坊や”を使ったタオルをプレゼントいたしました。また、カープコラボのICOCAを2010年に初めて数量限定で販売しているのですが、今これをお持ちの方はかなりレアだと思います!

2010年に発売されていた、カープコラボICOCA

名物となっているカープ応援ラッピングトレインも在来線で現在走行中です。見つけたらテンションが上がること間違いなしです。ぜひ探してみてください。

◆これからもJR西日本と共に、広島を盛り上げましょう!

 これまでカープ球団と様々な企画をさせていただいておりますが、2009年にマツダ スタジアムができてから新幹線を利用し広島にお越しになる方は間違いなく増えたと思います。

 広島とカープはとてもつながりが深いことから、引き続きカープ球団と協力させていただき、新幹線を利用して、ぜひ多くの方を広島に呼び込みたいと思っております。そして、広島に来ていただくのはもちろんですが、カープファンのみなさんには、ビジター応援に合わせて、『EX予約」や『スマートEX』をぜひご活用ください!

 2013年のクライマックスシリーズで、甲子園球場のレフトスタンドが真っ赤に染まっていた光景は私自身現地で見て本当に涙が出るほど感動しました。2018年の優勝も甲子園でしたが、新大阪駅の新幹線ホームには赤いユニホームを着た方がたくさんいたと聞きました。ぜひ広島から新幹線に乗って、ビジター球場で選手を盛り上げていただけたらなと思います。

 最後に、50周年を迎えるカープ坊やは、我々も『駅長カープ坊や』として使わせていただいておりますが、カープと広島のシンボル的存在になっていると思います。可愛らしいからこそ、多くの方々に愛されるキャラクターだとも思うので、これからも変わらず、かわいい坊やでいてほしいです。山陽新幹線全線開業50周年と赤ヘル50周年が重なり、今このような立場で仕事をさせていただいているということは、運命を感じるとともに、感謝の思いでいっぱいです。これからも一緒に年を重ね、一緒に広島を盛り上げていきましょう!

 

◆西日本旅客鉄道株式会社
西日本エリアを中心として旅客鉄道を運営する会社(通称、JR西日本)で、私たちの暮らしの中でなくてはならない存在となっている。1975年3月10日に岡山駅-博多駅が開業し、山陽新幹線全線(新大阪駅-博多駅間)が開業して今年で50周年を迎えた。