2025年シーズンも佳境を迎え、連日熱い戦いが続くカープ。二軍では若鯉たちが、一軍昇格の時を虎視眈々と狙っている。現役ドラフトでカープに加入した鈴木健矢もその一人。二軍で結果を残し、8月には、5月30日以来となる一軍再昇格をつかみとった。ここでは、8月上旬、昇格直前の鈴木が二軍で語った言葉をお届けする。

8月の再昇格以降は無失点投球が続いている(9月1日時点)

 「一軍で仕事を」。鈴木が語っていた決意

 現役ドラフト初の『2巡目』指名選手として、今シーズン、日本ハムからカープに加わった。セ・リーグでも珍しいアンダースロー右腕は、多彩な変化球を操る技巧派でもある。

 今季はここまで中継ぎとして一軍13試合に出場し(取材時の8月7日時点)、4月30日からは7試合連続無失点投球を続けるなど、リリーフの一角としてチームを支えてきた。

 ただ、鈴木自身は「あまり一軍で仕事ができていないので……」と悔しさを滲ませる。

「後半戦はしっかり一軍に上がって、少しでも戦力になれるところを見せたいです。課題は左打者。ただ、最近は二軍でも左を抑えることができるようになってきたので、ある程度自信はついてきました」

 二軍で確実に結果を出し、再び一軍に呼ばれる機会を虎視眈々と狙ってきた。

 具体的な課題克服について尋ねると「それは極秘ですね」と笑うが、その裏には試行錯誤の積み重ねと努力があることは間違いない。打者を幻惑するアンダースローは、一軍投手陣の力になるべく、黙々と腕を振り続けている。

■鈴木健矢(すずき・けんや)
1997年12月11日生、千葉県出身
176cm 80kg/右投左打/投手/プロ6年目・27歳
木更津総合高−JX-ENEOSー日本ハム(2019年ドラフト4位)−広島(現役ドラフト2巡目)