◆選手との積極的なコミュニケーション

—— コーチでの5年間、さまざまな角度から選手を見て接してこられたと思いますが、監督に就任されてから選手と接する感覚に違いはあるのでしょうか?

緒方 自分のなかではそんなに変えようとも思っていませんし、今までの自分でいいと思う部分はありました。しかし、選手の立場からすると、やはり同じ目線で私を見ていない感覚はあります。改めて監督という存在は、自分が思っている以上に選手には大きいのだと感じています。

—— 選手とのコミュニケーションは、これまでと同じスタンスを取られるのでしょうか。

緒方 今まで以上に自分から近寄って話をして、選手との距離を近づけたいと思っています。まだ私も慣れない部分もあるでしょうが、野球だけのコミュニケーションだけではなく、挨拶一つにしても、正直に今日は体調が良いとか悪いとか、選手のいろんな部分を見ていきたいと思っています。

—— 今季は野手総合コーチとして、野村前監督の側で野球を見てこられました。チームの課題はどこにあると感じられていますか?

緒方 今季の戦いを振り返って思うのは、後半戦に勝ち切れなかった部分ですね。結果的に優勝を逃してしまいましたし、最終的に2位にもなれず順位に大きく影響しました。また野手にしても投手にしても、ケガ人が出たときに、全体的な戦力の薄さを考えるところはありました。常時出ているメンバーにしても若い選手が多く、経験不足を感じる場面も多くありました。

—— 課題を埋めるために必要なものは、どのように考えていますか?

緒方 やはり戦力の底上げでしょう。ケガ人が出て戦力が落ちるのではなく、そこを穴埋めできる選手が必要だと考えています。経験という部分では、今季優勝争いを経験したことによって、来季にその経験を生かしてほしいですね。若い選手を起用するにしても、競争という部分をもう一回強く意識させてやっていかなければならないと、改めて感じています。

(後編へ続く)