高校野球界の名門・敦賀気比高から、育成ドラフト2位でカープに入団した竹下海斗。ここまで二軍で11試合に登板し、2勝2敗1Sと着実に経験を積んでいる(9月25日時点)。今夏、支配下を勝ち取った高校の先輩・前川誠太の背中を追う背番号126の素顔に迫る。(全2回/第1回)

敦賀気比から2024年育成ドラフト2位で入団した竹下

◆一人ひとりに全力投球。足りないものを痛感した実践登板

ープロの世界でここまで過ごされて、竹下投手自身の投球を振り返って、どのような印象を持っていますか?

 「ここまで8試合に登板しましたが(8月28日時点)、二軍とはいえ、プロのレベルは本当に高くて、少しでも気が抜けると打たれてしまいます。一人ひとりに全力投球して、『全員抑えるんだ』という気持ちでいなければ抑えることはできないと改めて感じました。高校の時とは力の入り方も違いますし、体力的にも精神的にも、疲れ方が全然違いますね」

ーそのなかでも、4月4日の初登板からは5試合連続で無失点投球が続きました。手応えを感じていたのではないですか?

 「無失点で終われた5試合も、どんどん三振が取れたというわけでもないですし、どちらかというと周りの良いプレーに助けてもらったという感覚で、『まだまだこれからだな』というのが正直な気持ちです。自分の力というか、足りないものを改めて感じた登板でした。もらえるチャンスも少ないので、とにかく1試合1試合、目の前の試合に集中して、自分にできることを全力でやろうと思った結果、5試合無失点という結果につながったのかなと思っています」

ー8月1日のソフトバンク戦で初失点して以降は、毎試合失点するという厳しい試合が続いていました。

 「そうですね。ただその試合も、自分自身がもう一段成長したいという気持ちから、配球も含めチャレンジした結果のミスでした。新しい課題が見えたということもありますし、ここからの成長につなげられるミスだったと受け止めています」