カープ球団を支える人たちは、どんな仕事をしているのか? 本連載は、さまざまな立場・場所からチームを支える人たちにスポットライトを当て、裏側のお仕事について探っていく。今回は選手のユニホームや練習着のクリーニングを担当する、施設運営部宇品クリーニング場から中野隆司(なかの・りゅうじ)さんが登場。現在の仕事内容や、やりがいなどについて話を聞いた。 (全2回/第1回)
◆一つひとつ心を込めて丁寧に。手作業で対応するケースも
私がクリーニング業務に携わるようになって14年が経ちますが、この専用クリーニング場ができた当初から任せていただいています。
現在ここでは、私と3名のスタッフと数名のパートさんでユニホームの回収、洗濯、畳んでパッキングした後、選手のみなさんに納品を行なっています。
クリーニングするものとしては、ユニホームの上下、アンダーシャツ、ソックス、トレーニングシャツ、タオル、リストバンドに手袋など、選手のほぼ全ての着用物をクリーニングしています。
1日の流れは、朝8時頃から、試合用ユニホームの洗濯を開始し、15時頃にユニホームを球場に届けて練習着を回収。戻って再び洗濯。そして試合終了後にユニホームを回収し、翌朝から再びユニホームの洗濯、と続いていきます。また、この間に、二軍選手の着用物の洗濯なども行なっています。
選手や首脳陣のみならず、球場スタッフの方のビブスなどもこのクリーニング場で対応するので、かなりの量を扱っています。また近年暑さも増し、選手のみなさんは試合中に何度も着替えるので、これまでは大体1日に2000点程度対応していたものが、いまでは2500点程度になることもあります。
洗濯はまず汚れたユニホームと、きれいなユニホーム、ズボンの3種類に分けます。一番汚れているもの、中間くらいのもの、きれいなもので分け、一番汚れているものは、1回目に洗濯機で回し、排水、再び水を入れて回してその後全部出し、もう一度洗剤を入れてまた回していくという流れで『2度洗い』を行います。それでも落ちない汚れは、そこから手作業です。超音波で汚れを落とす機械を使用したり、洗濯板で根気強く落とすこともあります。
やはりユニホームはお客様に見られるものですので、我々もそこだけは確実に落とし切ることをモットーにしています。また、汚れを落とすだけではなく、擦れて穴が空いてしまったユニホームなどは、担当のスタッフが手作業で縫うこともあります。使えるか使えないかは、選手のみなさんのご判断ですが、我々はベストを尽くした上で戻すようにしています。
もちろん普段の土の汚れを落とすのも大変ですが、中でも雨の日の汚れはかなり大変です。グラウンドを走ると、ユニホームのパンツに土の跳ね返りがつくのですが、これが意外と洗濯機では取れないケースがあります。ほぼ汚れが落ちていないものが洗濯機から出てくるので、通常よりも時間がかかります。
(後編へ続く)