◆先発のローテーション争いは、し烈に?

 2位で指名した齊藤汰直(亜細亜大)は、非常に安定感があり三振も取れる投手として、私も以前から注目していました。

 183センチと身長も高く、角度のある投球で中心にしっかり投げ切れるイメージがありますから、非常に楽しみな投手のひとりです。チームは先発候補として見ているのかもしれませんが、来季は栗林良吏や岡本駿、辻大雅らが先発に回るという話もありますし、先発陣のなかでの競争が激しくなることが考えられます。そのなかで今年のドラフトで指名された投手たちが台頭し、戦力になっていってくれることに期待したいと思います。指名順に関わらず、プロに入ればスタートは一緒です。

 4位指名の工藤泰己(北海学園大)や長身投手の赤木晴哉(佛教大)、本格右腕と言われる髙木快大(中京大)らにも大いに期待したいところです。

 先述の赤木は191センチと菊地ハルンに次ぐ長身投手ですが、一方で今年のドラフトでは、リーグで最も小柄な選手も獲得しました。ドラフト3位の勝田成(近畿大・内野手)です。勝田には、『体が小さいからプロでは無理だ』と諦めている子どもたちの刺激になれるよう、ぜひ頑張ってもらいたいです。

 また、小柄であるがゆえに『大きな人には負けたくない』というガッツもあるでしょうから、そうしたメンタルの強さにも期待したいところです。投手としては、小柄でしっかり粘ることのできる打者、コンパクトに打ち返すことのできる打者には非常に投げづらさを感じます。

 勝田だけでなく小柄な野手には、投手のそうした意識もうまく利用しながら、しっかり粘って相手に嫌がられるような打者になっていってもらいたいと思います。

(後編へ続く)