苦しい試合が続いた3月のサンフレッチェ広島。一方で、攻守両面で期待の持てるシーンも見られた。クラブOB・吉田安孝氏が、ここから始まるホームでの4連戦で巻き返しを図りたいサンフレッチェの注目ポイントを独自の目線で分析する。(全2回/第2回)
◆攻撃陣は前線の連携がカギに。J1デビューのGKにはこれから先も期待大!
ここで、サンフレッチェ広島の3月の印象的な試合を振り返ってみましょう。
例えば27日の神戸戦、木下康介の先制点は、木下と中村草太、鈴木章斗の距離感や角度がぴったりだったからこそ、木下がこぼれ球を狙うことができたのだと思います。鈴木の放ったゴールは相手GK・前川黛也に阻まれてしまいましたが、そこを詰めていた木下が押し込んで先制に成功しました。このシーンでは、惜しくもシュートを弾かれた鈴木が頭を抱えていたのも印象的でした。結果的にチームは先制ゴールを決めたわけですが、「自分が決めたかった」という思いが伝わってくる表情で、これぞストライカーだと感じました。
木下のゴールにつながる一連のシーンは、中村がボールを持った時点で『自分でゴールに持ち込む』、『鈴木を使う』、『木下を使う』とさまざまな選択肢がありました。
このゴールが象徴するように、どんなフォーメーションで、どのメンバーが起用されたとしても、前線の3選手の連携で得点につながる多くの選択肢をつくっていくことが非常に大切です。そういう意味でも、神戸戦での木下の得点は、試合には負けてはしまったものの、非常に良い流れで奪うことができた理想的な1点だったのではないでしょうか。
また、この神戸戦ではGK・大内一生がJ1デビューを果たしました。
足元やセービングの技術も高く、上背もあるので守備範囲も広い。PKを取られたシーンについては本人も思うところはあるでしょう。私もそうですし、試合を見ていたファン・サポーターのみなさんも同じ気持ちかと思いますが、それでも前を向こうという姿勢は選手として非常に素晴らしく、GKとしても信頼感を得ることができるものだったと思います。

