抜群の外野守備と機動力で、いまやカープに欠かせない戦力となっている大盛穂。昨季は打撃でも結果を残し、一軍で確かな存在感を放った。今季は一番・センターとして開幕から出場が続いていたルーキー平川蓮が故障離脱後は、4月2日以降はスタメンが続き、打撃面でも存在感を見せている。

 2018年育成ドラフト1位で入団した大盛は、「とにかく負けたくない」。その一心でがむしゃらに野球と向き合ってきた。育成出身だからこそ抱く、“反骨心”がその原動力だという。ここでは、昨季のインタビューで聞いたその思いを改めて振り返る。(『広島アスリートマガジン』2025年11月号掲載記事の一部を再編集)

一番・センターとして存在感を見せる大盛

◆「育成はプロ野球選手ではない。プロに混じっている練習生」

─大盛選手は2018年育成ドラフト1位入団です。背番号124からのスタートでしたが、三桁背番号を背負ってどのような心境でプレーしていましたか?

 「育成選手は一軍に上がれない立場ですからね。二桁番号の選手を蹴落とす気持ちだけでした。反骨心というか、支配下に負けたくない、その気持ちだけでしたね。だって、ムカつくじゃないですか(笑)」

─“反骨心”が力になっていたのですね。

 「その通りですね。今もたまに『支配下でプロに入れていたらどうだったんだろう?』と思うこともあります」

─1年目オフの11月に、支配下登録を勝ち取りました。

 「うれしかったですし、周囲の方にも喜んでいただけました。ですが『1年目以上にやれることをやるんだ』と引き締まった気持ちでした。背番号が59になりましたが、やっぱりうれしさはありました。あとは、『育成はプロ野球選手じゃない』と言われていたので、『やっとスタートラインに立てたな』という気持ちでした。振り返ると、深く考えず『突き進むしかない』というか、毎日必死でしたね。一軍に上がったばかりの頃は環境に慣れることも大変でした。その中でも、守備だけは負けないという気持ちがありましたし、『まずは守備だけはしっかりやっておこう』と思ってプレーをしていました」

─『育成選手』を言葉で言うと、どう表現できますか?

 「そうですね……育成選手を一言で言うなら『プロ野球選手ではない。プロに混じっている練習生』ですかね。別物扱いはしたくないですが、僕は経験しているからこそ思うことがあって『育成だからもっと頑張れ』というのは違うのかなと思っているんです。頑張って練習するのは当たり前で、みんな頑張っていますからね。ただ、自分の育成という立場をわきまえないといけないですし、そんなに簡単じゃないぞ、と思います。やっぱり、二軍で人並みの成績では埋もれてしまいますし、その中で一番を取らないといけないのかなと思っています」

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