◆一軍を経験したことで、さらに意識を高めてほしい

 守備は1年目から『プロの打球に慣れる』ことを原点にいろいろな打球を打ちながらそこを徹底してきました。彼にスピードがあるとはいえ、やはりプロのスピード、強さというのは違いますからね。それを体感してもらいながら『なんとか守れるかな』と思えるようになった1年目でした。

 昨年ずっと二軍の試合に出て、その中で練習とは違う試合の中で覚えることもありますし、球を捕る、投げるだけではなく、セカンド、ショートとして二遊間の動きを覚えるところにも昨年は時間を費やして指導しました。その中で彼も一生懸命に聞いて、実践しようとしてくれたことが2年目になって、順調に来ている理由だと思います。

 また彼に限らず一軍に上がるには確実性が求められます。信頼、信用されるには『当たり前のゴロを当たり前にさばく』こと。派手なプレーは求めていません。それは守備ではなく走塁もそうです。羽月のようなタイプの選手は、極端に言うとミスをしないくらいの意識を持たないと起用してもらいにくくなりますからね。

 彼が一軍で活躍することはもちろんうれしいです。ですが、また二軍に戻ってきたということは力がまだ足りない訳です。今回一軍を体感した上で、さらに高い意識を持って日々の練習を大事にしていってほしいですね。