4球団競合となったドラフト1位小園海斗をはじめ、カープは2018年ドラフトで高校生内野手4人を指名。その中で一番下位指名であるドラフト7位で入団したのが羽月隆太郎だ。

  167センチと小柄な羽月は入団直後から連日厳しい練習に耐え抜き、昨季は二軍でセカンドを中心に出場機会を得て、65安打、打率.300、23盗塁を記録した。

入団直後から、玉木コーチの厳しい指導で日々鍛錬を積んできた羽月選手。

 そしてプロ2年目を迎える今シーズンも二軍で出場機会を積み重ねる中で、8月7日に一軍昇格のチャンスが訪れた。昇格したその日にいきなり2番・セカンドでプロ初スタメン初出場を果たした羽月は、第一打席で犠打、第二打席ではセーフティースクイズを決め、第四打席では三塁打。2安打3打点の活躍で初のお立ち台も経験するなど、たたき上げの小兵が鮮烈なデビューを果たした。その後、8月30日に二軍降格となったものの、高卒2年目の若武者はこの一軍経験の中でさまざまなものを得たはずだ。

 低迷する一軍の中で新たな風を吹かせた羽月を厳しく、温かい目で見ている指導者の一人が玉木朋孝二軍守備・走塁コーチだ。球界ナンバーワンとの呼び声も高いノック技術で、一軍コーチ時代には3連覇に貢献。昨季から二軍コーチとして、入団直後から羽月を多種多様なノックでの守備練習はもちろん、プロとしての心得などを指導してきた。

 そんな玉木コーチは羽月にどのように接し、指導してきたのか? 改めて愛弟子に対する思いを聞いた。