◆兄への嫉妬心、ライバル心というのは、いくつになってもなかなか取れない(笑)

─ シーズン途中からサイドではなくシャドーでの起用が増えていますね。

 「ルヴァン杯、リーグ戦で4得点しているんですけど、その全てをシャドーで取っているのでシャドーの方が自分の武器やプレーを表現しやすいのかなと思っています。でも、ポジションに関係なく結果を残せるような選手にならないとダメなので、そこはあまり意識していません」

─ ボール支配率と結果が比例しないことも多く、改めてサッカーの難しさを感じるのではないでしょうか?

 「そうですね。最近はサッカーの難しさを感じます。あれだけ攻めても勝てないですし、横浜FM戦とか前半に得点していれば流れもまったく違うものになっていたと思うので。一点の重みという部分が本当に大事になってくると思います。ただサンフレッチェらしいサッカーはできていると思うので、あとは全員で守る、全員で一点を取るというのを結果として出すだけですよね」

─ チームが目指す戦術には、すぐにフィットできましたか?

 「自分が加入する前から自分の特長を知ってくれていたと思いますし、入団直後から『こんなパスを出すから、しっかり見ていて』と声をかけてくれました。初めましての自分に積極的に声をかけてくれたので、自分としてもすごくありがたかったです。それもあって早い段階からチームに溶け込むことができましたし、戦術の面でもすぐにフィットできたと思います」

─ 浅野選手は誰とでもすぐに打ち解けそうなイメージがあります。

 「先輩に対してはさすがに最初からグイグイ行くことはできなかったですけど、年が近い選手も多いですし、やっぱりお兄ちゃん(浅野拓磨/パルチザン)と一緒にプレーしていた選手が多いので、それも大きかったのかなと思います」

─ 六男一女の浅野家の中でも浅野拓磨選手とはよくケンカをされたそうですが、改めてどのような関係性でしたか。

 「やっぱり弟って、お兄ちゃんのマネをしたがるじゃないですか。それで兄が全員サッカーをしていたので、自然と自分も保育園のときからサッカーを見に行くようになりました。当時からタク(拓磨)が周りの人からプレーで『あの子、上手いな』と言われると嫉妬心というかライバル心はありました。もちろん、そのライバル心があったから自分も成長できたんですけど。そういう嫉妬心とかライバル心というのは、いくつになってもなかなか取れないもんですね(笑)」