新型コロナウイルスの影響(第7節の名古屋戦が延期)でリーグ戦の消化が遅れているサンフレッチェが、9月27日のG大阪戦からリーグ後半戦に突入した。

決定機を数多くつくりながら、勝ち星が遠いサンフレッチェ。ホームで痛い星を落とし、選手たちは肩を落としながら引き揚げた。

 全34節のうち17試合を終えた時点での成績は7勝4分6敗の10位。名古屋、G大阪を除き上位チームと比べ試合の消化が少ないとはいえ、ACLプレーオフ出場圏内を意識するならば、もはや負けが許されないような状況だ。

 しかしながら、ほぼベストメンバーで臨んだG大阪戦で、サンフレッチェが厳しい現実を突きつけられた。序盤から一方的に攻め込みながらゴールマウスを割ることができず、防戦一方のG大阪に一瞬の隙を突かれ、倉田秋にスーパーゴールを献上。4分後には昨季までの同僚であるパトリックにシュートを決められ、川崎戦の悪夢を思い出すような連続失点を計上した。

「前半は風下でクリアしたボールが思ったほど飛ばなかったり、逆に裏を狙われたボールが伸びてきました。アグレッシブにラインを上げるにしても臨機応変に変える必要がありました。声で解決することもたくさんあるので、周りと連係しながらもっと声を出していきたいと思います」

 コンディション不良の野上結貴に代わり2戦連続で3バックの一角を務めた井林章は、バックステージで次節に向けての課題を口にした。課題の決定力不足はもちろんのこと、今季は複数失点が目立つだけに持ち味であるディフェンスの修正は急務である。

「自分たちは悪くない入りをしたと思いますが、何も起こっていない状況で相手に容易にボールを渡してしまったと。相手のシュートは素晴らしかったですが、ボールの渡し方が勝ち点1を持っている(引き分けの状況での)チームの戦い方ではなかった。そこから攻勢に出たところ、選手が死力を尽くしてくれたことは評価したい。下を向くことはない。ただ、あれだけのエネルギーを使って勝ち点0に終わるのは、最初の失点のしかた、連続失点のツケが最後に来たと思います」(城福監督)

 大敗した川崎戦(●1-5)の流れを引きずることなく、続く柏戦(△1-1)、大分戦(○2-0)では本来の堅守を取り戻し、アウェーながら勝ち点を積み上げた。しかし今回のG大阪戦(●1-2)は試合内容では上回ったものの、肝心の勝ち点を積み上げることができなかった。次節の鳥栖戦(10月3日)では、内容云々ではなく“勝ち点3を取る”という以外の選択肢は残されていない。