鈴木誠也に代わり、カープの4番を託される松山竜平が存在感を見せている。体調不良の影響もあり開幕を二軍で迎えたものの、6月27日に一軍復帰以降は4番・鈴木誠也の後を打つ5番打者として勝負強い打撃を見せ続けてきた。

9月28日から鈴木誠也選手に代わり、4番としてスタメンが続く松山竜平選手。

 4番を打つ鈴木は夏場以降、8月の月間打率が.267、13打点、9月は.265、12打点と打撃不振に陥っていた。チームが苦戦し、鈴木の調子も上がらない中、9月28日のDeNA戦(マツダスタジアム)では好調を維持する松山が4番スタメンを担った。

 10月1日の巨人戦では、サンチェスから6号2ランを放ち、4番に座って以降初の一発を放った。4番定着以降の4試合では16打数5安打2打点を記録。現在打率はチームトップとなる.301、打点は鈴木に次ぐ49打点をマークするなど、昨季の不振を取り戻すような活躍を見せている。

 今季カープ打線はチーム打率こそリーグ2位の.261を記録しているものの、得点数369はリーグ4位と勝利に直結する打撃が展開できているとは言い難い結果が残っている。そんな状況下において、松山は開幕直後からコンスタントに安打を重ねてきた。月間打率を見ると、8月のみ.261であったものの、9月は102打数31安打、打率.323と打撃は再び上昇気流に乗り始めていた。さらにリーグ3位の得点圏打率.380と依然勝負強さを見せている。

 苦戦が続くチームは今季、野手陣、投手陣ともに主軸に離脱者が目立ち、若手が躍動している。今季プロ13年目、9月には35歳を迎えたベテラン松山の高い打撃技術と経験は、チームが一つでも浮上するために欠かせない存在だ。

 昨シーズン後のインタビュー時、理想のベテラン像を聞かれ「やっぱり新井(貴浩)さんですね。新井さんほど口はうまくないですけどね(苦笑)」と口にしていた松山。かつてカープを優勝に導いた新井氏のような、勝負強い打撃と経験でチームを支えていく。