10月11日に今季初の一軍昇格を果たした小園海斗。同日のヤクルト戦(マツダスタジアム)では結果を残すことができなかったものの、代打で今季初打席に立った。
昨季は開幕一軍、不調の田中広輔に代わるスタメン起用など充実のルーキーイヤーを過ごした。ところが今季はウエスタン・リーグで一時打率1割台に沈むなど極度の打撃不振に陥り、同期の後塵を拝す形となっていた。
同じ高卒2年目野手では羽月隆太郎、林晃汰が先に一軍昇格を果たすなどアピールを続けていた。昨季とは真逆の形となるだけに、心中は穏やかではなかったはずである。
「今季はまだ一回も一軍でプレーすることができていません。やっぱり正直悔しいですし、その気持ちは忘れずにいたいです。改めて、まだまだ自分自身の実力がないと痛感しました。ただ、これが現実だと思います」
猛暑が続いた8月、ファームで汗を流す小園はそう口にしていた。昨季の活躍を思えば、焦る気持ちがあってもおかしくない。だが小園は自身の力不足を受け入れ、一心不乱に日々の練習に取り組んだ。
時間がかかったとはいえ、その効果は徐々に現れ始めた。9月4日のソフトバンク戦(由宇)では今季初の猛打賞を記録。そこから約1カ月でウエスタン・リーグの首位打者(10月11日時点)にまで上り詰め、切望していた一軍昇格を勝ち取ってみせた。
「もう一度、一軍の舞台で活躍できるように、試合数は残り少ないですけど、チームに貢献できるようにここからもう一度頑張っていきたいと思います」
2年目でプロの壁を味わった小園だが、潜在能力の高さは昨季の活躍で実証済みだ。二軍で地道な練習に取り組み不振を脱却した背番号51が、残りわずかながら一軍の舞台で意地を見せていく。