今シーズンのカープはここまで苦しい戦いを強いられる一方で若手選手の台頭が目立っている。中でも今季プロ2年目を迎える2018年ドラフト組は、続々と一軍昇格を果たしている。

 ここではプロ2年目シーズンを全力で駆け抜ける若鯉に焦点を当て、各選手の今季の活躍を振り返る。

羽月隆太郎選手ら二軍に降格になった選手も、再昇格を目指してウエスタン・リーグで奮闘を続けている。

◆「2年目の苦悩を乗り越えて一軍昇格」小園海斗・2018年ドラフト1位

<2020年一軍成績:1試合/1打数0安打/0本塁打/0打点/盗塁0/打率.000>

 昨季は田中広輔に代わる形で、ショートのレギュラーを任される時期もあった小園海斗。球団高卒ルーキーの本塁打記録を更新するなど、高卒1年目ながら随所で印象に残る活躍を見せた。ところが今季は打撃不振に陥り、ウエスタン・リーグで打率1割台に低迷するなど二軍でのプレーが続いていた。しかし、8月下旬から復調傾向を見せ始めて安打を量産。ウエスタン・リーグ首位打者(10月11日時点)にまで駆け上がり、今季初の一軍昇格を果たしてみせた。2年目の苦悩を乗り越えた小園が、一軍の舞台でその高い潜在能力を見せつける。

◆「自慢の速球がさらに進化」島内颯太郎・2018年ドラフト2位

<2020年一軍成績:31試合/0勝0敗0セーブ4ホールド/61.1回/防御率5.23>

 開幕一軍入りは逃したものの、中村恭平と入れ替わる形で7月7日に一軍に昇格。7月15日の巨人戦では打ち込まれたが、そこから約1カ月は首脳陣の期待に応える快投で無失点投球を続けてみせた。飛躍の2年目を迎えるにあたり、昨季オフには中﨑翔太、塹江敦哉と合同自主トレを行った。その中で中﨑から、基本的な体の使い方を教わるなど、レベルアップに励んできた。そして今季からカープに新設された通称『2.5軍』で、腰を据えて自らの投球フォームを練り直すと、飛躍的に球威が向上。空振りが取れる直球を武器に、一軍で存在感を示した。10月5日に登録抹消となったが、リリーフ投手に欠かすことのできない高い奪三振率は魅力。本格派右腕が、さらなる高みを目指して右腕を振り抜いていく。