一軍投手陣の柱として活躍する森下暢仁の同期・ドラフト2位入団の宇草孔基が一軍の舞台で存在感を示している。春季キャンプでは一軍スタートを勝ち取り即戦力候補としてアピールをかけたが、開幕を二軍で迎え自身の課題と向き合ってきた。

7試合連続で1番としてスタメン出場を果たしている宇草孔基選手。

「(二軍では)課題がたくさんある中で、『昨日はこうだったから今日はこうやってみよう』とか、いろいろ試していました。とにかく一軍の舞台で勝負するためにやってきました」

 日々試行錯誤を重ねながら己の実力を磨き続け、一軍昇格の機会を伺っていた。そんな宇草に一軍から初の招集がかかったのは10月6日のこと。同日の阪神戦(マツダスタジアム )で1番・レフトとして即スタメン起用されると、プロ初安打となる左中間への二塁打を放ち3打数1安打1四球と結果を残した。

  さらに10月10日のヤクルト戦(マツダスタジアム)では、先発・森下を強烈に援護する自身初のタイムリーを放つ活躍を見せ、“同期コンビ”でお立ち台に登場。投打の若鯉の活躍は多くのカープファンに明るい未来を想像させた。

 シーズンの戦いとしては苦戦を強いられているが、若手選手が積極的に起用されるなど初の一軍デビューを果たした若鯉が多くいる今季のカープ。一軍外野陣には結果を残し続ける2年目の大盛穂のみならず、コンディション不良だった西川龍馬が復帰するなど、宇草は激しいポジション争いの中にある。

「やっぱり年齢が近い選手の活躍は刺激になります。ただ、焦ってもしょうがないと思いますし、気持ちをうまくコントロールして、課題とうまく向き合っていきたいです」

 実力者がひしめく外野陣だが、プロ初スタメンの試合から7試合連続で1番に起用されるなど、自身の持ち味を存分に発揮して一軍の舞台でプレーを続けているる。10月13日の巨人戦(東京ドーム)では得点にこそつながらなかったものの、球界のエース・菅野智之から第一打席に安打をマーク。切り込み隊長としての資質、そしてトップクラスの投手とも渡り合える打力があることを証明した。

 残り30試合を切った今季のレギュラーシーズン。遅れてきたルーキーは、カープ打線に勢いを与える新1番打者として、残りのシーズンを駆け抜けていく。