カープ森下暢仁がまたしても大仕事をやってのけた。11月1日の中日戦(ナゴヤドーム)で、8回無失点の好投で10勝目。カープでは2014年の大瀬良大地以来となる、プロ1年目での二桁勝利を達成した。

11月1日の中日戦。森下暢仁選手が8回119球無失点の好投で10勝目を挙げた。この試合で森下投手は規定投球回を達成し、最優秀防御率のタイトルも視野に入ってきた。

 巨人・戸郷翔征との「新人王」争いから抜きん出るために大事な一戦。プロ初勝利を挙げたナゴヤドームで、今シーズンの活躍を象徴するかのような最高のピッチングを披露した。

 ひとつの分岐点になったのは初回の守り。1死から京田陽太に安打を打たれると、続く阿部寿樹にはセンターの頭上を超す二塁打。一気にピンチが広がったかと思った矢先、カープ守備陣が落ち着いた連携プレーで、2塁をオーバーランした阿部をタッチアウト。2死になったことで、後続をしっかりと抑え、立ち上がりを無失点で切り抜けた。

 2回以降は、ストレートを軸に変化球を効果的に織り交ぜ、中日打線を翻弄。6回には2死から連打を許し、この試合2度目の得点圏に走者を置いての投球となったが、高橋周平をショートゴロに打ち取り、ピンチを脱出。大盛穂と坂倉将吾のタイムリーで奪った3点のリードを8回まで1人で守り抜いた。

 9回は守護神フランスアに託したが、8回119球を投げて7つの三振を奪い無失点。防御率は1.907まで下がり、残り試合の結果によっては、最優秀防御率のタイトルも見えてきた。

 「いつも『攻めていく』という気持ちが一番大事だと思っているので、逃げずに自分の球をしっかりと投げるということを意識しています」

 即戦力ルーキーとして入団し結果を求められたシーズン。開幕から先発ローテに定着すると、攻める気持ちを胸に投げ続け、11月2日時点で勝ち星、防御率、三振数、投球イニングなど多くの部門でチームトップの数字を記録。しっかりと結果を残し、大車輪の活躍を見せている。

 背番号18を託された黄金ルーキーは、“新人王”を自身の投球で手繰り寄せることに成功した。