即戦力投手の獲得が目立った、2020年のカープのドラフト会議。その年ごとに補強ポイントが異なるが、未来の主力選手を発掘、指名していく過程の中で、これまでカープはどのような戦略を立てドラフトに臨んできたのだろうか?

 ここでは直近10年間に絞り、カープのドラフト指名選手を当時の状況と共に振り返っていく。今回は天才的な打撃センスが光る西川龍馬の獲得に成功した2015年のドラフトを振り返る。

即戦力の方針通り、大卒、社会人が過半数を占めた2015年のドラフト会議。

 2015年のドラフトで目玉となったのは打者では高山俊(明治大)、平沢大河(仙台育英)、投手では髙橋純平(県立岐阜商高)、小笠原慎之介(東海大相模高)、今永昇太(駒沢大)といった顔ぶれだ。ちなみに、この年は2球団が競合した高山の抽選時に、ヤクルトの真中満監督がハズレくじを当たりと勘違いするハプニングが発生したことでも知られるドラフトだ。

岡田明丈投手

 適度に指名選手が割れるなか、カープは関西6大学野球秋季リーグ連覇に貢献し、最優秀投手賞を受賞した岡田明丈(大阪商業大)を単独指名した。エース・前田健太(現ツインズ)がポスティングシステムを利用した米大リーグ移籍を希望したこともあり、先発投手の補強が同年ドラフトの最重要事項だった。

高橋樹也投手

 後に戦力外となったものの2位で横山弘樹(NTT東日本)、6位で仲尾次オスカル(Honda)を指名。3位に素材型の高橋樹也(花巻東高)を挟んだものの、この年は方針通りに社会人の獲得が目立つドラフトとなった。

西川龍馬選手

 同じ王子から入団を果たしたのは、4位の船越涼太と5位の西川龍馬だ。船越は昨季オフに戦力外通告を受けたものの、西川は卓越したバットコントロールを武器にレギュラーに定着。すでにカープのユニホームを脱いでいる選手も多い2015年ドラフト組だが、その中で西川は押しも押されもせぬカープの主力選手に成長した。

 となれば次に期待されるのは、2017年に12勝をあげた岡田の復活だ。投手陣の再構築が急務なだけに、本格派右腕の先発ローテーション返り咲きが待ち望まれている。

【2015年 カープドラフト指名選手】
1位:岡田明丈(大阪商業大・投手)
2位:横山弘樹(NTT東日本・投手)
3位:高橋樹也(花巻東高・投手)
4位:船越涼太(王子・捕手)
5位:西川龍馬(王子・内野手)
6位:仲尾次オスカル(Honda・投手)
7位:青木陸(山形中央高・内野手)