カープ・ケムナ誠が、11月5日の巨人戦(マツダスタジアム)でリリーフ登板。1イニングを無失点に抑えプロ初勝利を飾った。

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 出番は4対4の延長10回に訪れた。先頭の重信慎之介に安打を許すも、代打・若林晃弘をショートゴロ併殺打。続く炭谷銀仁朗もショートゴロに抑え、無失点で切り抜けた。するとその裏、松山竜平がサヨナラタイムリー。プロ3年目でうれしいプロ初勝利が舞い込んだ。

 今季は7月に一軍に昇格すると、初登板から5試合連続無失点。ビハインドや複数イニング登板も着実にこなし、首脳陣の信頼を勝ちとっていった。7月と8月の2ヶ月で13試合だった登板数も、9月は12試合、10月は14試合とシーズンを追うごとに増え、11月5日の巨人戦で40試合登板に到達した。

「今シーズンは、ストレートを軸にスライダーやチェンジアップでカウントを整えることができるようになっていると思います。変化球の割合を増やすことができて、相手に的を絞らせないことが少しはできていると思います」

 変化球のバリエーションを増やすことで、一番の武器となる力強い速球の魅力が向上。与えられた登板で結果を残し続けたことで、9月以降は、リードした状況で登板する存在にまで成長した。

「良い部分としては、打者にどんどん向かっていく姿勢が出せていることだと思います。一軍に上がってから試合で受けていただいた會澤(翼)さんにも、打者に向かっていく姿勢は良いと言っていただけましたし、そこは自信を持っていたいと思います」

延長10回に登板し、1イニングを無失点を抑えたケムナ誠投手。その裏、チームがサヨナラ勝ちし、うれしいプロ初勝利が舞い込んだ。

 3連覇を支えたリリーフ陣が不調だった今シーズン。そこで巡ってきたチャンスを生かし、一軍での居場所を確立したケムナ。成長著しい若きリリーバーは、残り試合も、最後までガムシャラに全力投球で応えていく。