周囲から期待され続けながら、なかなか結果を残すことができなかった堂林翔太が、ついにラストチャンスをつかんでみせた。

 6年ぶりに開幕スタメンを勝ち取ると、一時は首位打者をキープするなど一気に覚醒。プロ11年目で見事な復活劇を見せつけた堂林が、激動の今シーズンを振り返る。

一時は首位打者をキープするなど、一軍の舞台で躍動した堂林翔太選手。

◆シーズン通して出場したからこそ感じた課題

─ 今シーズンは2012年以来、久しぶりに規定打席に到達しました。1年間試合に出続けた証となる数字とも言えますが、改めてこの数字に到達した事実をどのように捉えていますか?

「そうですね、まずは僕をこうやって使ってくれた監督、コーチの方々に感謝の気持ちしかない、ということだけですね」

─ 一軍でレギュラーとして試合に出続けることが久々だったと思いますが、シーズン中、体力的にキツいと感じる時期などはありましたか?

「こうして試合に出続けるのも久々だったので、シーズン途中にはキツいと感じることもありました。特に今シーズンは6連戦が続く過密な日程でもあったので、そういった面でもキツいところも正直ありました」

─ 調子が良い時、悪い時もあったと思いますが、一軍の試合に出続けるという喜び、難しさを改めて感じるという部分はありましたか?

「調子が悪くてもスタメンとして試合に出させていただいていました。ということは悪いなりにも結果も出さないといけないですし、そういった面ではまだまだ課題は多いと感じましたね。ですが、そういう課題というのは、試合に出ないと分からないことですよね。試合に出られる喜びを日々感じながら、良いことも悪いこともいろんな経験が今シーズンはできたと思います」

─ シーズン序盤は一時打率でリーグトップに立つなど打撃好調を維持されていましたが、夏場を迎えた8月、9月には打撃面で苦しまれていました。原因はどこにあったのでしょうか?

「シーズンの前半戦は、自分の思うように甘い球を一発で捉えることができていました。でも後半戦になるとその確率がだんだん減ってきて、自分で苦しくしてしまった面があったと思いますね。そういった要因を振り返ってみると、カウントが進んでいって追い込まれてしまい、なかなか自分が思うようなスイングができなくなってしまって、結果が出ていなかったのかなと思います」

─ 打撃の調子が思わしくなかったその時期には、どのような事を意識していたのでしょうか?

「特に大きく形を変えるようなことはしていませんし、今年のキャンプからやってきた意識をずっと変えないで、1年通して最後までやってきました」
(vol.2に続く)