◆ギアチェンジがうまくできる投手

 力強いストレートを投げていますし、変化球のキレも良い。さらにコントロールも良いということで、今年も勝ち星はある程度計算できるはずです。昨年は全体の試合数が減ったとはいえ、開幕が遅れたことで過密日程を余儀なくされました。

 しかし、その中で森下は10月、11月に4連勝を飾るなど、最後まで先発ローテを守り投げ抜きました。後半は疲れもたまっていたでしょうが、最後まで投球フォームが崩れることはありませんでした。

 また森下は走者がいるときと、いないときでギアチェンジがうまくできる投手です。とにかくピンチに強い。これが森下の最大の武器だと思います。走者は許すものの、その走者をホームに返さないというのは好投手の条件でもあります。これができているので、昨年あれだけの結果を残せたのだと思います。

 今年初登板となった3月30日の阪神戦(マツダスタジアム)でも何度かピンチを招いていましたが、そのたびに打者を圧倒する強い球を投げていました。なかでも印象に残っているシーンは、今季2度目の登板で完封勝利を飾った4月6日のヤクルト戦(神宮)。9回1死三塁の場面で、塩見泰隆を見逃し三振に打ち取った場面です。

 ピンチの場面でも怯むことなく、内角低めに投げ込んだ力強いストレートは素晴らしかったですね。森下の場合は、とにかく1年間、ケガをすることなく先発ローテで投げることができれば、最多勝や最優秀防御率といったタイトルを獲得する可能性は十分あると思います。