─ 昨季までの一軍投手陣をどう評価されますか?

 「気に掛かるのは先発のイニング数です。今の野球は先発・中継ぎ・抑えと分業制が定着して、5、6回で球の力が落ちてくれば、その見極めをしながら継投となります。そうなると先発の球数は減り、完投も増えません。昨季の先発陣で規定投球回数に到達したのは(大瀬良)大地とジョンソンだけでした。そうなると負担がかかるのがリリーフです。
先発は中6日で投げることが主流で、先発ローテーションに入るのは5、6人です。そこに選ばれる投手には中6日を空ける責任感を持ってほしいですし、『どうすれば長いイニングを投げられるか?』を意識してほしいです。その中でバテてきたとこちらが判断すれば変えなければいけないですが、僕は『7、8回になっても投げたい』という意思を見せてほしいと思っています。
基本的に投手は先発を目指してほしいですし、プロ入りするほとんどの投手が子供の頃からエースだったと思います。今の時代は違うと言われればそれまでですが、それくらい自覚を持って先発をやってほしいと思っています」


─ 春季キャンプでは中崎翔太、一岡竜司投手以外は先発調整という方針ですが、その意図を聞かせてください。

 「僕が現役時代は今のように早い段階から実戦がなく、キャンプで投げ込みをする調整が主流で、先発と中継ぎで調整に大差はありませんでした。その考えの中でリリーフで実績のある中崎、一岡以外の全員に先発のチャンスを与えたのは、競争意識を持ってもらうことが目的です。大地、ジョンソン、(野村)祐輔、九里(亜蓮)、岡田(明丈)は先発の中心になりますが、『自分は先発ローテーションだ』と安心感を持つのではなく、『若手には負けない』という気持ちでやってほしいです。逆に若手投手は『先発ローテーションに入るチャンス』と思ってやってほしいと考えています。
また先発調整をすることで、昨季までリリーフで投げていた若手投手たちの投げ込みの量も増えて、技術面の向上にもつながります。シーズンに入って仮にリリーフメインとして投げることになっても、今の内から先発調整として投げていれば対応することは可能だと思っています」


(広島アスリートマガジン2019年3月号から一部抜粋・続きは本誌にて掲載)


▼ 佐々岡真司(ささおか しんじ)
1967年8月26日生、島根県出身。89年ドラフト1位で広島入団。
1年目から13勝17セーブを記録すると、2年目には17勝をマークし、最多勝、沢村賞に輝くなどリーグ優勝に貢献し、MVPに輝いた。その後はチーム事情から先発、抑えとして長年カープ投手陣を支え、先発100勝100セーブという大記録も達成。07年限りで現役引退。プロ野球解説者を経て、15年に二軍投手コーチとして広島に復帰し、多くの若手育成に尽力。今季から一軍投手コーチに就任した。