オリックス・ブルーウェーブ(現オリックス・バファローズ)、MLBワシントン・ナショナルズのトレーナーを務め、メジャー時代は「マック(高島の愛称)はゴッドハンドを持っている」と高い評価を得たトレーナー・高島誠。この連載では、数々のプロ野球選手を指導してきた経験をもとに、これまで公では語られることのなかった、マック流・野球パフォーマンスアップの秘密を披露していく。

 

◆キャッチボールに使う球にもこだわってのトレーニング

 野球専門のトレーニングジム「Mac’s Trainer Room」代表の高島誠です。『Mac高島の超野球塾』の連載をご覧いただき、ありがとうございます。

 今年もトレーナーだからこそ知る、野球のトレーニングに関する様々な情報を発信していきますのでよろしくお願い致します。

 2021年最初のコラムでは、プロ野球選手の自主トレについて紹介します。プロ野球選手のオフシーズンのトレーニングについてはこちらのコラムで紹介しました。

 プロで活躍している野球選手が、どんな自主トレを行っているか。今回は、選手の入れ替わりはあったものの12月と1月の約2ヶ月間、僕のジムが主催した自主トレの様子を具体的に見ていきましょう。

 自主トレの様子は、ほぼ毎日、僕のTwitterで紹介していますが、年明け1月から行っている自主トレは、おもに、山岡泰輔投手、K-鈴木投手、榊原翼投手、杉本裕太郎選手(以上オリックス・バファローズ)、福永春吾投手(元阪神タイガース)などが参加して行いました。

 午前中は野球グラウンドを借りて、トレーニングを行います。まずは約10種類以上のウォーミングアップから一日がスタートします。以下のようなメニューを行い、体を温めていきます。

☆チューブサイドランジ(動画をご覧いただけます)

☆チューブでのショートダッシュ(動画をご覧いただけます)

☆フリスビーキャッチ(動画をご覧いただけます)

 鍛えたい部位にほどよく負荷をかけることができるチューブは、トレーニングにオススメのアイテムです。動画を参考にぜひ普段のアップから取り入れてみてください。

 ちなみに、1月ということもあり、気温はかなり低いです。特に寒い時期は筋肉が固くなり、しっかりと準備運動などを行わずに体を動かすと怪我のリスクが高くなってしまいます。ウォーミングアップを通じてじっくりと体を温めた上で、ボールなどを使った練習を行うことが大切です。

 アップが終わったら、キャッチボールをする前に、J-Bandを使って、肩のストレッチを行います(動画はこちら)。J-Bandはインナーマッスルの強化にも役立つアイテムです。

 続いてグラウンドを使ってのキャッチボールです。

回転軸が分かりやすい、特殊なボールを使ってキャッチボールを行います。

 その時に使うのはスピンアクシスボール。ボールに色がついているので、投げたあとにボールの回転を確認できる、キャッチボールにオススメの練習アイテムです。

☆スピンアクシスボールを使ったキャッチボール(動画をご覧いただけます)

回転効率アップ、変化球の質向上にむけて、高島さんが開発したスピンアクシスボール。

選手がキャッチボールを行っている間、僕は、ハイスピードカメラを持って、各選手のボールの回転、リリースポイントをチェックしていきます(動画はこちら)。

 動画を見てもらえたら分かる通り、1/1000秒とも言われる世界を体感できるハイスピードカメラで撮影することで、通常のビデオカメラでは見えてこなかった部分、投手でさえ気づけなかったポイントに気づくことができます。スピンアクシスボールの回転も分かるので、特に投手にとっては大きな気付きを得ることができます。