─具体的にどのぐらいの時期から調子が崩れていったのでしょうか?

「春のキャンプの時点で球速が出ずに『あれ?』と思っているうちにどんどん腕が振れなくなっていってしまいましたね」


─思うようにいかない中で投球に何か変化は加えていったのでしょうか?

「プレートの位置を変えたり、インステップ気味に投げたりいろいろなことを試しました。そこまでいろいろ試行錯誤をすることも野球人生の中で初めてだったと思います。これまではそこに至るまでにケガをしてしまっていました。そういった意味である程度投げ込んでも耐えられる体はできているんだということが分かりました。ただ、それだけではプロの世界でご飯は食べていけません。いかに自分の取り組みを結果につなげるかだと思っています」


─今季はは6月12日に今季初の一軍昇格を果たしました。当時の心境としてはどのようなものだったのでしょうか?

「徐々に自分の思うような投球ができる確率は上がっていたので、正直楽しみな部分はありましたし、一軍の打者に投げてみてどういう反応になるんだろうと思っていました」


─実際投球をされた手応えはいかがでしたか?

 「良いところに投げても簡単に打ち返されたりして、思うようにうまくはいかないというのが正直なところですね。あの時の投球を振り返ってみると、一軍で投げられるギリギリの球を投げていたと思いますし、現実を突きつけられた感じでした」


(広島アスリートマガジン2019年12月号から一部抜粋・続きは本誌にて掲載)


▼  薮田和樹(やぶたかずき)
1992年8月7日生、広島県出身/27歳・プロ5年目/岡山理大付高 - 亜細亜大-広島(14年ドラフト2位)/右投右打/188cm・88kg