◆黒田さんと新井さんの粋な演出にグッときました

─ 最後は素晴らしいセレモニーでした。スピーチの言葉は熟考されていたのですか?

石原 すごく考えましたね。ケガをした後に毎日、大野練習場へ車で通っていたのですが、車中ではひとりの時間だったので、『どうすれば自分の考えが伝えられるか』と、自分なりにずっと考えていましたね。

─ 花束贈呈では、會澤翼選手が涙を流していました。

石原 あの場面はグッときましたね。普段はそんな表情を見せないアツ(會澤)が、号泣しながらでしたからね。アツとはいろんな思い出がありますから。新井さんと僕は現役中に一番多く時間を過ごしましたが、アツの中では僕と過ごした時間が多かったと思うので。それだけにいろんなことを思い出しましたよね。花束を受け取って「ありがとう、あとは任せたぞ。頑張れよ」という言葉をかけさせていただきました。

─ グラウンドを一周され、ファンのみなさんの声援に応える時はどんな思いでしたか?

石原 まず、こういう事は二度とないので、ファンのみなさんに対して「ありがとう」と感謝を伝えながら歩いていました。19年間で初めてあれだけの31番のユニホームを掲げてもらいましたし、みなさんからいろんな言葉をいただいて……感謝しかないですね。

─ そして最後に黒田さん、新井さんお二人のサプライズ登場がありました!

石原 そうですね! あれは本当に知らなくて、三塁側ベンチの前で河内(貴哉・一軍広報)が「ここで止まってください」と言うので、僕は『何でここで止まるんだ?』と思ったんです。そうしていると、黒田さんと新井さんが出てこられて……あれは本当にヤバかったです。通常だったら僕がスピーチをした後に、花束を受け取るタイミングなのかなと思うのですが、最後の最後に出てきていただいて、粋な演出にグッときました。

新井 え~、私もマルチな才能を発揮するマルチタレントとしてね、忙しい身ですから(笑)。ドラマの収録、モデルとしてのスチール撮影、歌手としてのレコーディングをキャンセルし、はるばるやってきました(笑)。

石原 出た出た出た(爆笑)。

新井 あれはね、黒田さんと本当のサプライズにするには? って話していて……『石原のスピーチが終わりました、では、この方々の登場です!』ではサプライズにならないだろうと。なので、黒田さんと新井さんは来ないだろうと。『来んのかい!』と思わせておいて、最後の最後に少しだけ出て花束を渡して帰ろうと。黒田さんと話していたドッキリ作戦だったんです(笑)。

Vol.3に続く