─調子の波こそありましたが、結果的に11勝をマークし、3年連続で二桁勝利をマークされました。

「そこに関しては良かったと思いますけど、やっぱり勝負所になる後半戦でチームに思うように勝ちを持ってこれなかったので、そこに関しての悔しさというのが僕自身は大きいですね」


─今季はチーム全体として完投数が増加し、大瀬良投手自身としては完投数が両リーグトップ(6完投)でした。

「春のキャンプから『先発は完投を目指す』という、佐々岡(真司・来季監督)コーチのテーマであったり目標のもとでスタートしていました。そういう意味では完投を増やしていくための取り組みを僕自身やっていたので、完投数が増えたということは良かったのではないかと思います」


─シーズンを終えてみて、収穫、改めて見えてきた課題があれば教えてください。

「あまり収穫があったというイメージはなくて、完投数が増えたくらいだと僕の中ではそう思っています。課題を言えば、ストレートをもう少し磨きたいと思っています。そこは毎年変わらないんですけど、やはり、より質の良いストレートを投げたいと思っています。あとは、今季は落ちる球を思うように扱い切れていなくて、そこが苦しんだ一つの原因でもありました。なので、もう一度落ちる球をしっかり確立させてやっていきたいと思っています。昨季はフォークボールをある程度思うように投げることができていたので、相手打者に的を絞らせない投球ができていました。でも今季に関してはほとんどストレート、カットボール、スライダーという、速球系の球に偏ってしまっていました。そこをもう少し精度良く投げていけたらと思っています」


─今季、自身の登板で特に印象に残っている試合を教えてください。

「チームとして大事なところで投げた8月末の巨人戦(8月29日・東京ドーム)ですね。その巨人3連戦を勝ち取ることができれば、まだ優勝争いも分からなくなる時期でした。でも僕が10点取られてしまって(3回途中降板・7安打10失点)、チームも僕も含めて大事な時期だったので、あの試合ですね。やっぱり、負けてしまうと本当に苦しくなってしまう時期だったので、何とかこういうところでチームに勝ちを持ってくるというのが今年1年の目標としてやってきた部分でもあったので……。大事なところで落としてしまって、ああいう投球内容になってしまって、チームの士気を下げてしまったなと思います。いろんな意味ですごく残念なゲームでした」


(広島アスリートマガジン2019年12月号から一部抜粋・続きは本誌にて掲載)


▼ 大瀬良大地 (おおせらだいち)
1991年6月17日生、長崎県出身/28歳・プロ6年目/長崎日大高-九州共立大-広島(13年ドラフト1位)/投手/187cm・93kg