その守備力は堅実なだけではない。柔らかさや軽快さも併せ持つ。今年7月、トレードでカープに移籍してきた三好匠。

「守備を買われていると思うので、そこでアピールして信頼を得たいです」

 入団会見の言葉通りの活躍で一軍に定着し、なくてはならない戦力となっている。守備力の土台は楽天時代にあった。

「高校時代はピッチャーでしたが、肩の強さが魅力で今宮健太(ソフトバンク)みたいになれるかもしれない。そんな見立てでした」(楽天編成担当者)

 実際、九州国際大付属高ではMAX145キロのストレートで甲子園も沸かせている。ただ、本人は冷静だった。

 「身長も高くないし、フォークを投げられるわけでもありませんでした。プロに進むには野手でと思っていました」

 11年ドラフト3位で楽天に入団も、簡単に一軍定着ができなかった。それでも二軍では2年目の13年に打率.276、3年目の14年はリーグ3位の13本塁打。むしろ、守備より打撃で頭角を現しつつあった。