生半可な気持ちではまっとうできない仕事

─ヘッドコーチは初めてのご経験ですが、改めて理想のヘッドコーチ像を教えてください。

 「ヘッドコーチはこうあるべきだと言われたこともあるし、これまで多くのヘッドコーチのもとでやってきて、こういう風に動いたらいいんだろうなという考えはありますが、理想というのは特にないですね。型にはまってこうしないといけないと思ってしまうと、予期せぬ事態が起こったとき、臨機応変に対応できないと思うんです。その時その時の自分の判断を信じてやっていこうと思っています」

─自分なりの色を出していくということですか?

 「よく言えばそうですが、初めての経験なので、自分の色を出す以前に正直どこまでできるか分からない思いもあります。シーズンを戦いながら、自分なりのオリジナリティを出していければいいですね」

─ファンの方からは、帰ってきた河田ヘッドコーチに期待しているという声をよく聞きます。

 「ありがたいことですね。生半可な気持ちではまっとうできない仕事というのは理解していますし、今シーズンは体力も頭もかなり疲れるんじゃないかと思います。ただ、そこはポジティブな気持ちで、明るく乗り越えていこうと思っています」

─最後にカープファンのみなさんにメッセージをお願いします。

 「みなさんの期待に対して変な予防線は張りたくありません。とにかくプロである以上、結果が全て。チームが勝てなかったら、監督とヘッドコーチである僕の責任です。なので、今年一年間戦って、もしカープの成績が悪かったら、河田の責任だと広島アスリートマガジンに投稿してもらいたいですね(苦笑)。53歳になりましたが、明るく元気にやります。今年はそういうチームにします。まず、その部分はファンのみなさんに約束しておきます」