佐々岡真司監督から開幕投手に指名された大瀬良大地が、ヤクルトとのオープン戦で4回無失点の好投を見せた。内容は53球を投じて被安打2、三振4、四死球0。両チームともに調整段階であるとはいえ、日本ハムとの練習試合(3回2安打無失点)に続く好投は開幕戦に向けての好材料だ。

昨季はキャリア最少の登板数に終わった大瀬良大地投手。今季は右肘手術からの完全復活を目指す。

2018年に自己最多の15勝で最多勝、最高勝率の二冠に輝いた大瀬良は、翌2019年に自身初の開幕投手を経験した。そこで巨人を相手に8回無失点という、圧巻の投球内容を残している。

 2020年シーズンも春のキャンプインと同時に、佐々岡監督が大瀬良を開幕投手に指名。だが、キャンプが進むにつれ、プロ野球界もコロナ禍の影響を色濃く受けることになった。

「『開幕投手を頼むぞ』と言われてからは3月20日に向けて調整していたので、開幕延期が決定したときにはすごく残念な思いもありましたけど……世界的に見てもいろんなスポーツも中止になったり先延ばしになっています。今はそういう可能性があると思いながらトレーニングをしているので、そこに関しては今は何も感じないというか、今できることを精一杯やろうという気持ちですね」(広島アスリートマガジン2020年6月号)

 誰もが経験したことのないシーズンを前にして、エースは言葉通りに「今できる」調整を積み重ねた。そして6月19日にずれ込んだ開幕戦では、強打のDeNAを3安打に封じ込め1失点の完投勝利を収めてみせた。

 その後は故障離脱もあって、11試合登板で5勝4敗、防御率4.41の成績でシーズンを終えた。9月には右肘も手術し、今季のキャンプは二軍スタートとなっていた。それでも2月20日には一軍に合流し、前述通りに練習試合で好投。九里亜蓮、森下暢仁の名前も挙がるなか、3年連続となる開幕投手の座を引き寄せた。

 3月26日に対戦する中日とは相性も良く、ここ2年間は5勝1敗で防御率も1点台だ。今季から新キャプテンを務める大瀬良が、北別府学氏以来となる3年連続開幕戦勝利で開幕ダッシュを演出する。