一軍デビューを目指し鍛錬を続けるプロ2年目の韮澤雄也選手。

◆静岡での自主トレで感じた菊池涼介の存在感

 ルーキーイヤーの昨年、二軍でチーム2位の68試合に出場した韮澤雄也。走攻守三拍子揃った期待のホープとして、数多くの経験を積んだ一年となった。そして、プロで初めて迎えたオフシーズン。飛躍の2年目に向けて、韮澤は、先輩の菊池涼介に弟子入りし、静岡で自主トレを行った。

「一年間プレーして、思ったほど打球が飛んでいないし、思ったように送球できていないと感じることが多かったので、キクさんに相談させていただきました。キクさんは同じ内野手ですし、誰もが認める一流プレーヤー。キクさんの野球への取り組み方、体の使い方を学びたいと思い、自分からお願いしました」

 昨季、史上初となる二塁手での守備率10割を達成した名手の動きは、韮澤にとって参考になることばかりだった。

「僕のほうが体は大きいですし、腕の太さもキクさんのほうが細い。なのに、遠くまで軽く打球を飛ばされるし、強く正確な送球をされているのを目の当たりにし、やっぱりすごいなと感じました」

 昨季のウエスタン・リーグで、チームで5番目に多い50安打を放った韮澤だが本塁打は0本。さらなる成長をはかるため、長打力の向上は今シーズンの大きな課題。そのため、キャンプから、しっかりとバットを振り切ることを意識して取り組んだ。

「昨年までは、三振したくない、ヒットがほしいと結果を欲しがって、当てにいくだけの打撃になり、練習したことを試合で出せていませんでした。今年のキャンプでは、目の前の結果を求めすぎず、長打が出る打ち方を意識して、練習に取り組んでいます」

 自主トレ中、菊池からも打球を遠くに飛ばす体の使い方や技術を教わるなど、課題解消に向けて鍛錬を重ねた。攻守でカープを牽引し続ける菊池の存在は、同じ内野手として大きな目標となっている。

「今回自主トレで一緒の時間を過ごさせてもらい、自分もキクさんのようなプレーヤーになりたいと思いました。そして、キクさんを超えなければレギュラーになれないと思うので、そうなれるようにがんばります」

 昨季から二軍で結果を残した選手を積極的に一軍で起用するなど、チームは新しく生まれ変わろうとしている。昨季一軍デビューを果たした林晃汰や羽月隆太郎、育成出身の大盛穂はプロ2年目で一軍の舞台に立った。今季、高卒2年目を迎える韮澤もそれに続くことができるか。

 球界を代表する内野手から学んだことを生かし、背番号54は攻守ともに成長を続けていく。