3月17日に行われたヤクルトとのオープン戦で、中村祐太が4回2安打無失点の好投を見せた。紆余曲折を経た本格派右腕が、着実に結果を残すことで自身初の開幕ローテーション入りを確実なものにしようとしている。ここでは早くから将来を嘱望された中村の、プロ1年目の声を振り返る。
(『広島アスリートマガジン』2014年7月号)

初の合同自主トレで緊張の色を隠せない中村祐太投手。

◆キャンプで筋力のなさを実感

― 入団してから半年が経ちましたが、自分の中で変化はありましたか?

「まだ試合に慣れていないので、プロになったという実感はないんです。ただ、先輩たちへの気配りが高校時代は全くできず、怒られたこともあったんですけど、そういう気配りとかはできるようになってきたと思います」

― 初めての経験も多いと思いますが、今までと大きな違いを感じたことは何ですか?

「練習中の休憩時間が短いことですね。あとは練習内容が濃くて、短い時間に多くのトレーニングをしたりと、最初はペースが早すぎて戸惑ったんですけど、今は慣れてきました」

― 自分のペースを掴めてきたんですね。

「抜くところをつくってはいけないと思うんですけど、抜くところは抜かないと全部全力でやっていたらケガに繋がるので、ペース配分を考えるようになりました。最初は時間配分が分からなかったのですが、だんだんとやることは分かってきたので、練習後とか練習の短い合間の過ごし方を自分で工夫しながらやっています」

― 肉体的にも変化が出てきているのではないですか?

「体の強さは出てきていると思います。あとはもっと体を大きく芯の強さをつけたいです。体幹が弱いので、インナー部分をもっと強くしていけたらいいなと思います」

― 現在は三軍強化指定選手ですが、いつ強化指定選手に指名されたのでしょうか?

「入団したときからそういう話は聞いていたんですけど、直接三軍と言われたのはキャンプの途中ですね」

― 今はどういうことを中心に取り組んでいるんですか?

「まずは体を強くすることです。自分自身、キャンプ中に先輩たちの体の強さに驚いたので、まずは体を強くして空いている少しの時間を技術練習に充てています。僕は練習の途中ですぐにバテて、力を出さないといけないところで出せないことが多いんですけど、先輩たちは最初から最後まで力を出せているので、その辺でまだまだ筋力が足りないなって思います」

― 合同自主トレ中はランニングなど、他の先輩たちに負けないペースで練習している姿がありました。

「そこで最初に飛ばしちゃったから、今、疲労がきているのかもしれません。そこでの先輩たちのペース配分を見習いたいと思っています。あのときは興奮して、頑張り過ぎちゃったなって思いますね」