不動のボランチとして、押しも押されもせぬサンフレッチェの中心選手となった川辺駿。日本A代表にも初選出されるなど、さらなる飛躍が期待されている。ここではコロナ禍のなか、背番号8を継承した昨季の川辺の声をお届けする。
(『広島アスリートマガジン』2020年5月号)

今季からサンフレッチェの副キャプテンに就任した川辺駿選手。

◆過密日程を見据え急務となるチーム全体のレベルアップ

─公式戦再開後は過密日程が予想されます。となればチーム全体のレベルアップも急務となります。

 「本当に2チームないとキツいと思いますし、若い選手の力は絶対に必要になります。ただ過密日程になっても上を狙えるだけのチーム力はあると思いますし、誰が出ても高いレベルを保てるのがこのチームの特長です。改めて、この中断期間でしっかり調整を進めていきたいですね」

─昨年も7月末に中2日という厳しい日程がありました。今季も真夏の超過密日程を想定しないといけないかもしれません。

 「一番回避しなければいけないポイントはケガですよね。コンディションに関しては、しっかり休むことで十分に回復できると思いますし、間が2日でもしっかりと休めれば100%に近い状態で試合を迎えられると思います。体のケアや意識の高さが個人やチームの成績に影響してくると思うので、今まで以上に意識を高く持って取り組まないといけないシーズンになりますね」

─維持ではなく上積みを図る中断期間だと思いますが、チーム全体での手応えはいかがですか?

 「切り替えの速さだったり前線からの守備の強度だったり、そういうのは確実に上がっている実感があります。今はそれを、より自分たちのモノにしていくという作業ですね。そして、それを今年だけ来年だけというのではなく、この先5年、10年、そういうスタイルを続けていくことが大事になると思っています。サンフレッチェはたくさんお金があるというチームではないですし、お金で実力のある選手をたくさん引っ張ってくることができるチームではありません。でもチームとしての強さだったりサッカーをする上での良い環境があれば、自ずとチームの良さでサンフレッチェを選んでくれる選手も出てくると思います。自分も長く広島の地でプレーしたいですし、常にその意識を持って今後もやっていきたいですね」