3月21日に行われたソフトバンクとのオープン戦で、堂林翔太が7試合ぶりに実戦に復帰した。一時は別メニューでの調整になるなどコンディションが不安視されていたが、復帰戦では攻守ともに問題ないことをアピールした。昨季、覚醒を見せファンを魅了した男が、臨戦態勢を整えた上でプロ12年目のシーズンに挑んでいく。

昨季は8年ぶりに規定打席にも到達した堂林翔太選手。

 一昨年までは周囲から大きな期待を寄せられながら、思うように結果を残すことができなかった。2019年は一軍出場を果たすようになってからは最低となる28試合の出場にとどまり、一軍と二軍を行き来するのが日常の光景となっていた。

「出場試合数が最少でしたし、足のケガで1カ月思うようにプレーできない時期もあり、なかなか一軍に呼んでもらえませんでした。正直なところ、何度か自分でも腐りそうになるときはありましたけど……そこをずっと堪えて、と言うとおかしいですけど、諦めるということはなかったので、『何か良いことがある』と思いながらずっと練習を続けていたシーズンでした」(『広島アスリートマガジン』2020年5月号)

 そんな堂林が昨季はオープン戦から快音を響かせ、新型コロナウイルス感染拡大の影響で開幕が延期となっても好調を維持し続けた。そして迎えた6月19日、DeNAとの開幕戦で堂林は「7番・一塁」で出場を果たし、2014年以来6年ぶりとなる開幕スタメンを勝ち取った。