土壇場で逆転を許し3年連続開幕勝利はならなかったものの、大瀬良大地が7回までは3安打無失点と貫禄の投球を披露した。続く第2戦では九里亜蓮が6回3安打1失点で、今季初勝利をマーク。田中広輔も即同点に追いつく先頭打者本塁打を放ち、チームの今季初勝利に貢献した。

 3月25日のウエスタン・リーグ(対中日)で先発登板し、6回6安打4失点(自責点3)とやや課題が残った中村祐太も、4月1日の阪神戦で先発登板が予想されている。ここでは今季の鍵を握る選手を多く輩出した、2013年ドラフトを改めて振り返る。

2013年は投手中心のドラフト戦略をとったカープ。1位指名を受けた大瀬良投手は、前評判通りの活躍(10勝)で新人王に輝いた。

◆大瀬良大地と松井祐樹に人気が集中

 2013年は夏の甲子園で大会史上最多となる1試合22奪三振を記録した松井祐樹(桐光学園高)と、福岡六大学野球で結果を残し続けた大瀬良大地(九州共立大)に人気が集まった。

 5球団が競合した松井は、楽天が交渉権を獲得。ヤクルト、阪神、カープの3球団が指名した大瀬良は、担当スカウトとして球団初の抽選に臨んだ田村恵スカウトの執念が実り、交渉権の獲得に成功した。

 続いてカープが獲得に乗り出したのが東都大学リーグ、明治神宮大会などで結果を残した九里亜蓮(亜細亜大)だ。即戦力の触れ込み通り、大瀬良と共にプロ1年目から開幕ローテーション入り。役割問わず登板する献身性の高さで、2016年からのリーグ3連覇にも大きく貢献している。