コロナ禍で世間が揺れるなか、ウエスタン・リーグが無事に開幕した。今季、カープは3連敗(対中日)からのスタートとなったが、続くオリックス戦で2連勝。本拠地開幕となる由宇練習場でも、ソフトバンクから2連勝を収めてみせた(2021年3月31日現在)。ここでは明日のカープを担う若鯉たちが激闘を繰り広げる、由宇練習場の小ネタを紹介します!
(参考文献:『広島アスリートマガジン』2004年5月号)

1993年に完成した由宇練習場。一軍での活躍を目指し日々、選手たちが汗を流している。

<神勝寺球場>
 カープの現在のホームグラウンドと言えば、もちろんマツダスタジアム。しかしマツダスタジアムは一軍の日程を優先して使用するため、1990年代前半まで二軍は広島県福山市藤江町の『みろくの里』にある神勝寺(しんしょうじ)球場でウエスタン・リーグの試合を行うことが多かった。

 また呉二河球場やNTT中国、広陵高などのグラウンドを借りて練習をすることもあり、二軍がどっしりと構えて練習や試合を行う施設は存在しなかった。そこで球団は二軍のための新たな球場を建設することを決断。大野寮からのアクセスを考え「山陽自動車道が近くに通っていること」、「冬でも雪の降らない暖かい場所」という条件の下に立地場所を探し、縁あって由宇町と出合うこととなった。

<初練習>
 由宇練習場は1991年3月25日に起工式が行われ、2年の月日を経て1993年3月4日に完成した。翌日の初練習には大野豊、北別府学、川口和久といった当時の主力選手も参加。練習場にはたくさんの人が詰め掛け、プロ野球選手を間近に見たファンは「やはりプロの選手は違う」と目を輝かせていたという。