3月30日に今季初登板を迎えた森下暢仁が、6回1安打無失点の好投を見せた。はたしてカープの歴代新人王は、翌年のシーズンをどのような成績で乗り切ったのだろうか。3回目の今回も主要データと共に、2000年以降に新人王に輝いた4選手の2シーズン目を振り返る。

1年を通して投手陣の軸ともいえる働きを見せた大瀬良大地投手。

【2006年新人王 梵英心】「37年ぶりの新人開幕スタメン&球団の新人最多安打記録を更新」
<2006年>123試合/450打数/130安打/本塁打8/36打点/盗塁13/打率.289
<2007年>136試合/519打数/135安打/本塁打18/56打点/盗塁20/打率.260

 投手と野手では比較にならないが、球団野手では小早川毅彦以来となる新人王を獲得した梵英心についても軽く触れておきたい。

 2005年のドラフトで大学生・社会人ドラフト3巡目指名を受けた梵英心は、1年目から即戦力の名に恥じぬ活躍を見せた。オープン戦から好調をキープし、球団では37年ぶりとなるルーキー開幕スタメン(6番セカンド)の座を奪取。中日の川上憲伸からプロ初ヒットを放つなど、プロ野球選手として華やかな第一歩を踏み出した。

 シーズン終盤の9月、守備練習中にイレギュラーした打球を顔に受け一時登録抹消というアクシデントはあったものの、公約通りシーズンの大半を一軍で過ごすことに成功。結果、球団の新人最多安打記録(112本)を更新する活躍で見事、新人王を獲得した。

 2年目は長打も増え、シーズンを通して18本塁打を記録。小柄な体格ながら、1年目を上回るような活躍を見せた。

【2012年新人王 野村祐輔】「新人投手では46年ぶりとなる防御率1点台を記録」
<2012年>27試合9勝11敗/完投0/完封0/172.2回/防御率1.98>
<2013年>23試合12勝6敗/完投2/完封0/149.1回/防御率3.74>

 菅野智之(巨人・東海大)、藤岡貴裕(入団時ロッテ・東洋大)と共に“大学ビッグ3”の一角として、2011年ドラフトで大きく注目を集めた野村祐輔。ドラフト1位の鳴り物入りでカープに入団すると、開幕から先発ローテーション入りを果たし、前半戦だけで7勝をマークした。

 オールスターゲームにも選出され、3回無失点の好投で敢闘賞を受賞。1997年の澤﨑俊和以来となる新人二桁勝利とはならなかったが、エース・前田健太に次ぐ存在として開幕から先発ローテーションを守り続けた。9勝11敗と負け越したものの、新人投手では46年ぶりとなる防御率1点台(1.98)を記録。新人王を決める投票では200の得票数を集め、見事に新人王に輝いた。

 2年目は故障などもあり開幕直後は低迷。だが交流戦で初の完投勝利を挙げると、そこからは安定感のある投球を取り戻し、自身初となる二桁勝利を収めてみせた。