甲子園での華々しい実績を携え、地元球団・カープへと入団した中村奨成。
さまざまなアクシデントに襲われながらも、ひたむきに努力を重ねた19年シーズンは若手捕手にとって決して無駄ではなく、新たな学びを得た時間となった。
心身ともに成長を遂げる背番号22が、2020年にかける思いを語る。

不退転の覚悟で今季に臨んでいる中村奨成選手。

─プロ2年目の19年は、中村奨成選手にとってどんな1年でしたか?
 「キャンプのケガから始まって、あまりプレーができませんでしたし非常に悔しいシーズンでした。実際プレーできたのは、シーズンの半分ぐらいだったので。1年があっという間でしたね。リハビリの期間はすごく長く感じたんですが、いざシーズン途中から試合をやって、フェニックス・リーズに参加してみると、本当に毎日があっという間に過ぎてしまいましたね」

─リハビリ中はどんな思いで過ごされていましたか?
 「まずシーズンを戦う上で大事なキャンプができないというところで、他の選手に差をつけられてしまいましたし、単純に焦る気持ちがありました」

─その時期に一軍の試合は見られていましたか?
 「3、4月ぐらいから一軍の試合を見て、レポートを提出するように倉(義和・現一軍バッテリーコーチ)さんから言われて、自分なりに感じたことをまとめて持っていくようになりました。もちろんそれより前も見ていないわけではありませんでしたが、そういった課題を出されてから目的を持って見るようになりました」