◆二軍で断トツの盗塁数をマーク

 打撃だけではなく持ち味である守備や走塁の面でも意識の変化があった。ウエスタン・リーグではルーキーイヤーから結果を残しているものの、現状のままでは上で通用しないことを肌で実感じたという。

「盗塁に関しては、普通にスタートを切っていては一軍ではアウトになってしまうと痛感したので、自分主導で投手が動き出すということを意識しています。自分が先に動いて、投手が投げたという状況であればセーフになる自信はあるので、そこを目指して練習しています。守備については、玉木コーチから教わったことなんですが、『投手が打ち取った打球を確実にアウトにする』ということです。それを心に置いて、練習から一球一球意識するようにしています。一軍経験をさせていただいたことで、全てにおいて意識がガラッと変わったと思います」

 二軍に降格したとはいえ、プロ2年目で一軍のレベルを経験したのは大きな財産だ。実際、降格後もファームで打率.349の成績を残し、盗塁もリーグ2位となる17盗塁をマークした。

「今足りないところをしっかり、どれだけ自分で追い込んで課題を解消していけるかが大事だと思っています。また一軍に上がったときにすぐに二軍に落ちないために、いま頑張っておきたいと思います」

 その頑張りは今季も継続し、春先から一軍春季キャンプで猛アピールを続けた。開幕一軍入りはならなかったものの、ウエスタン・リーグでは10試合の出場でリーグトップの10盗塁を記録し、持ち味の機動力で4月9日に一軍昇格を勝ち取った。

 まだ3試合の出場ながら、打率5割、出塁率6割超え、盗塁2と持ち味は出している羽月。打撃陣全体が本調子とは言えないいま、スランプがないと言われる足で突破口を見いだしたい。