◆二軍で結果を残し一軍昇格。3試合連続無失点で首脳陣にアピール

 一軍ブルペン定着に向けて必死のアピールを続けている高橋樹也。名門の花巻東高出身のプロ6年目、技巧派左腕にとって今季は勝負の一年となる。

 昨季は初の開幕一軍入り。シーズン序盤は4試合連続無失点救援を果たすなど、塹江敦哉と共に貴重な中継ぎ左腕として奮闘したが、次第に不安定な投球を繰り返すようになった。結果的にプロ最多の18試合に登板したものの、シーズン後半は一軍と二軍を行き来する悔しいシーズンを過ごした。

「ストレートと変化球の精度が、一軍に定着するためにはまだ足りないと感じたので、オフはそこをもっと良くしようと取り組んできました」

 春季キャンプは二軍スタートとなったが一軍で得た課題をもとに鍛錬を積んだ。最も意識したのは制球力。一軍の好打者から痛打されたシーンを思い返し、コントロールに磨きをかけた。

「僕のような投手は、低めに投げ切ることができないと一軍ではなかなか結果を残せません。今季はこれまで以上に制球にこだわっていきたいです」

 一足先に開幕したウエスタン・リーグでは好救援を連発。3月30日のソフトバンク戦では、1点リードの9回表に登板するとわずか7球で三者凡退に抑えるなど、4試合連続で無失点リリーフ。順調な仕上がりでアピールを続けてきた。

「今はその日できることをやるだけです。一軍に呼ばれたら結果を残さないといけない立場なので、そのためにしっかりと準備しておきたいと思います」

 二軍でのアピールが実を結び、4月23日に一軍登録。5月6日までに3試合に登板し、防御率0.00と結果を残している。左腕が今季の目標に掲げるのは一軍で50試合以上投げること。悔しさを糧に確かな成長を続ける左腕の一軍での活躍に期待がかかる。