◆カープにはチャンピオンになってほしい

― では日本で印象に残った選手はいますか?

「本当に全ての選手に感銘を受けました。ただ、山本浩二は1975年のMVPですし、高打率(.319)で印象に残りました。あのシーズンの山本と衣笠は傑出していました。彼らは、あの時代の日本野球の顔ともいえる存在になっていきました。本当に二人とも偉大な選手でしたね」

― 助っ人として日本で成功するポイントは何だと思いますか?

「私の場合、日本に来て打撃スタイルを変えました。以前は、広いスタンスで広角に打っていました。強い打球は打っていましたが、引っ張ろうとはしませんでした。三振も少なかったです。でも、日本にやってきて変わりました。ルーツ監督は、30本塁打を打てる選手を求めていました。そこで、私はスタンスを狭くし、引っ張る打撃もして要求に応えようとしました。ホームランを打とうと意識したのです。ただホームランは増えましたが、三振も増えましたね(笑)」

― 最後に、今のカープに何を望みますか?

「そりゃ、カープにはチャンピオンになってほしいです。カープと選手は、私の人生を変えてくれました。家族の人生も変えました。そして、私たちは今も幸せに生活しています。だから、カープには頑張ってほしい。現役引退後、勉強もして整形外科医にもなることができましたが、全ては日本にやってきたからこその結果です。1年プレーした南海ホークスも良いチームでしたが、一番の記憶は広島カープです。私の全てを変えてくれましたから。本当にカープには勝ってほしいですし、チャンピオンになってほしいと思っています」

■ゲイル・ホプキンス
1943年2月19日生、アメリカ出身。
ペパーダイン大-ホワイトソックス-ロイヤルズ-ドジャース-広島(1975-1976年)-南海(1977年)。1975年に33本塁打、91打点をマークするなど初優勝に大きく貢献。1977年に移籍した南海を最後に現役引退。日本での3年間で360試合に出場し、打率.282、69本塁打、229打点を記録した。