◆唯一、FA選手の獲得なし

【フリーエージェント】
 1993年にフリーエージェント(FA)制度が導入され、選手は一定の年数を超えると自由に球団を選べるようになった。ただ、FA選手を獲得するには多額の経費が必要なため、カープは常に後手に回っている。

 消滅した近鉄、新規参入した楽天を含めて12球団がFA選手を獲得してきた中で、唯一FA選手の獲得がないのがカープ。2010年オフに横浜からFA宣言した内川聖一の獲得に動いたものの、そのほかでは主だった動きはない。

 獲得がないだけではなく、カープのFAの歴史は主力選手流出の歴史と言っても過言ではない。FA制度導入2年目の1994年に左腕エースの川口和久が球団史上初のFA権行使を宣言し、巨人へ移籍。1999年には主砲の江藤智が巨人、2002年には金本知憲が阪神へと移籍した。

 さらに2007年にはエースの黒田博樹が球団史上初めてメジャー挑戦を決め、4番の新井貴浩が阪神へ。投打の主軸を同時に失う憂き目にあった。一方で新井や大竹寛の人的補償で獲得した赤松真人や一岡竜司が、チームの主力に成長。また近年は主力選手の慰留にも成功している。