新型コロナウイルスの影響で、先行き不透明な状況に追い込まれるなか、鬼門の交流戦に突入したカープ。ここでは、交流戦を迎えるまでのシーズン序盤の戦いを、カープOBの大野豊氏が独自目線で総括する。

コロナ陽性判定を受け、一時離脱するも、勝利数はチーム1位の5勝(6月3日現在)を記録している九里亜蓮投手。

◆投手に勇気を与える攻撃を

 5月中旬までの戦いを振り返ると、打線が機能しない試合が目立っています。開幕当初から、得点力不足を感じていましたが、ゴールデンウィークに6連敗を喫した試合は、見ていて得点が入りそうな気配を感じませんでした。

 得点を奪わなければという気持ちが強すぎるのか、打者が空回りしているようにも見えました。結果が出ていないとチャンスで消極的になってしまいがちですが、狙い球を絞り、思い切って打ちにいく積極性が必要だと感じましたね。

 投手は、先発であってもリリーフであっても、当然、相手打線に得点を与えないように投げないといけません。ただ、気持ちの在り方として、1〜2点奪われても打線が何とかしてくれるという感覚で投げるのと、1点もやれないという感覚で投げるのでは全然違うものです。投手が後者の気持ちでいると、もし相手に得点が入ると、気持ちの余裕がなくなり、大量失点につながってしまうケースもあるからです。