◆先発投手にとっては白星が1番の良薬

 私の現役時代、24試合に先発し14完投したシーズン(1988年)がありますが、この年は援護が少なく、「早く1点取ってくれ」という気持ちで投げた試合もありました。ただ、それは声に出しては言えませんから、投手としては我慢強く投げるしかありません。好投しても勝ち星がつかない試合もありましたが、先発で投げる時は、試合をつくることを一番大切にしていたので、「今日のピッチングであれば満足しよう」と前向きに試合を振り返るようにしていました。ただ、先発投手にとっては、白星が一番の良薬になるのもたしかです。

 今季、先発ローテで投げている投手のクオリティースタートの数を見てみると、ローテ頭を任されることが多い九里亜蓮が8試合中7試合(5勝)、森下暢仁が7試合中6試合(3勝)と、しっかりと先発投手の役目を果たしています。先発ローテの柱となる投手だけに、勝ち星を伸ばしてやりたいですし、白星が先行することでさらに勢いもつくはずです。それだけに、投手に勇気を与える攻撃を期待したいですね。

 セ・リーグの順位表を見ると、上位にいる阪神と巨人とのゲーム差が徐々に広がってきました。投手陣は結果を残してきているだけに、上位進出には、いかに僅差の試合を勝ち切れるかが大切になってきます。そのためにはやはり打線の奮起。野手陣が早く調子を取り戻し、粘り強い攻撃で投手陣を援護してほしいところです。