サンフレッチェ広島・城福浩監督

2018年、前年15位に沈んだクラブの再建を託された城福浩監督は、周囲の期待の一歩上を行く形で結果を残し続けている。最終的にJ1制覇は逃したとはいえ2年連続で優勝争いを展開。同時に高いレベルでの世代交代も完遂しつつある。就任3年目となる今季。スローガンである“積攻”を胸に、名将が悲願のタイトル獲得に邁進する。

──昨季からの流れでいくと今季のテーマは、やはり攻めということになりますね。

「これは選手にも言ったんですけど、昨年の我々は失点数で言えば上から二番目に少ないんです。一昨年は失点数の少なさが4位。つまり失点数の少なさという意味では、かなり上位ランクにいるんです。このレベルを保つことが大前提ですけど、守備力を保った中で我々がやるべきことは得点力を上げるということですよね。昨季の途中からは自分たちがやりたいサッカーを貫くことができた、チャンスもつくり始めた。では『ここからどうするか?』というと得点をするバリエーションを増やしていくということなので、それについてはかなり具体的なものを提示しながらキャンプの最初から取り組んでいます」

──それはビルドアップの部分だったり、アタッキングサードでのアドリブということになるのでしょうか?

 「もちろんその二つが鍵になりますし、味方をも裏切るようなアドリブも大事になってきます。その上で我々が目指しているのがショートカウンターです。相手を押し込んだとき全部シュートにいけるわけじゃない。どうしてもボールを奪われることがあるんです。ただボールを奪われたときに、すぐ奪い返してそこからショートカウンターで点を取るという、その部分を今季はとくに意識しています。もう一つはミドルシュートですね。昨年はミドルシュートが少なかったですし、逆に我々がミドルシュートでやられた試合もありました。今年重要になるのは、選手たちが積極的にミドルを打つメンタリティを持つこと。それによって相手はミドルを警戒することになります。そうすれば、もっと相手のディフェンス陣に穴が開くと思います。そういう相乗効果も含めて、昨年に比べてショートカウンターとミドルシュートの意識を高めていきたいと思っています」