◆巨人戦での一打を後押しした選手会長・田中広輔の言葉

─一軍で印象に残っている試合を教えてください。

「印象に残っているのは、チームの勝利に貢献できたという理由で、4月25日の巨人戦(東京ドーム)です。同点の最終回に代打で出させてもらい、二塁打を打つことができ、この一打が勝利に結びついたのはうれしかったですね。僕の中では、これまでのプロ野球人生の中で、一番大きな出来事でしたね」

─あの場面を振り返ると、代打で先頭打者として打席に入りました。2球で2ストライクと追い込まれながらも、球をしっかりと見極めて右方向へ二塁打。1点を争う緊迫した場面での一打だけに手応えもあったのではないですか?

「そうですね。昨年一軍に上げてもらった時は、追い込まれると簡単に三振してしまっていました。それを考えると、今年は打席で粘ることができているので、少しは成長したのかなと思います」

─勝敗に直結した一打だっただけに、試合後にチームメートからの祝福の言葉も多かったのではないかと思います。印象に残っている言葉はありますか?

「今でもハッキリと覚えているのは試合中の(田中)広輔さんの言葉です。代打で打席に入る前に『控えでヒーローになろう!』と言葉をかけてもらい、打席に向かいました。打席に入ると、何も考える余裕がないほど、とにかく必死でした(苦笑)。何とかしたいと無我夢中でバットを出して打った打球も、まさかフェンスまで飛ぶとは思っていませんでした。ただ、打席の前に、広輔さんの言葉に勇気を与えてもらったことはたしかです」

※記事の全文は『広島アスリートマガジン6月号』で公開中。